造血幹細胞におけるc-fgr発現と顆粒球・単球系分化の関連
Project/Area Number |
04247209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
朝長 万左男 長崎大学, 医学部, 教授 (40100854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片峰 茂 長崎大学, 医学部, 助教授 (40161062)
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Project Period (FY) |
1990 – 1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | c-fgr / proto oncoqene / protein-tyrosine kinase / myeloid Cell / granulocyte / differentiation / MDS / CML |
Research Abstract |
骨髄球系細胞に特異的に発現する非受容体型チロシンキナーゼ、c-fgr、の生理機能を明らかにすることを目的として研究を行った。前年度までに、c-fgrキナーゼが骨髄球系細胞の中でも、既に分化の終了した成熟型細胞(顆粒球・単球)において機能する可能性を示唆する成績を得たため、今年度は未梢血顆粒球におけるc-fgrキナーゼ活性化の分子機構についての実験を行った。結果を以下に記す。 (1)顆粒球機能活性化を有するG-CSFあるいはfMLPで顆粒球を処理すると、各々10分、30秒をピークとしてc-fgrキナーゼ酵素活性の上昇が認められた。また良好なdose responseも認められた。 (2)これらのc-fgrキナーゼの活性化は抗リン酸化チロシン抗体に反応する顆粒球細胞蛋白の量の増加の程度・時間経過とよく一致した。 (3)同様に、c-fgrキナーゼ活性化は、スーパーオキサイド産生を指標とした顆粒球機能活性化の程度・時間経過とよく一致した。 (4)顆粒球によるスーパーオキサイド産生はチロシンキナーゼ抑制剤(ハービマイシンA)の前処理により完全に抑制された。 (5)顆粒球におけるc-fgrキナーゼ活性化が、c-fgrキナーゼ分子自身の脱リン酸化を伴うことが判明した。 以上まとめると、顆粒球の活性化過程において細胞内蛋白のチロシンリン酸化が重要であること、このチロシンリン酸化にc-fgrキナーゼが関与する可能性が強いこと、c-fgrキナーゼの活性化にホスファターゼによる脱リン酸化が重要であることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)