ガングリオシドによる増殖因子受容体機能制御の分子機構
Project/Area Number |
04250210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
野尻 久雄 帝京大学, 薬学部, 助教授 (70180742)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1992: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ガングリオシド / 増殖因子レセプター / チロシンキナーゼ / 分化誘導 / 白血病細胞 / インスリン抵抗性 / II型糖尿病 |
Research Abstract |
1.インスリンレセプターチロシンキナーゼに及ぼすガングリオシドの影響 2、3Sialosylparagloboside(2,3SPG)にヒトインスリンレセプターチロシンキナーゼ(自己リン酸化)を特異的に阻害する活性があることが判明した。50μMで100%の阻害活性を示した。この効果は、in vitroだけでなくin vivo(intact cell)でも観察された。阻害活性には比較的厳密な糖鎖講造特異性が要求され、2、6SPGや2、3SPGと末端構造が同じで分岐構造を持つDisialosyl Iには50μMでは全く阻害活性は見られなかった。2、3Sialosylnorhexaosyl ceramideおよびG_<M3>は30%の阻害活性を示した。 2.細胞のインスリン依存性増殖に及ぼす2、3SPGの効果 外来性2、3SPGは特異的にヒトリンパ球性細胞株IM9,ヒト骨髄性白血病細胞株HL-60,K562のインスリン依存性増殖を阻害した。特に、HL-60においては単球系と顆粒球系のhybrid型の分化が誘導された。このタイプの分化は、1α,25(OH)_2_3による分化誘導の際にも観察され、このとき2,3SPGが特異的に増加する。従って、2,3SPGはインスリンレセプターチロシンキナーゼの阻害を介してインスリン依存性増殖の阻害、分化誘導を惹き起こしているものと考えられた。 3.インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)におけるインスリン抵抗性とガングリオシドNIDDMモデルマウスKKA^Yでは末梢、とくに指肪組織でインスリン抵抗性が観察される。KKA^Yの脂肪組織で正常コントロールマウスC57BL/6に比べG_<M3>の高発現が観察された。C57/BL6では血糖値と脂肪組織G_<M3>含量との間に正の相関関係が見られたが、KKA^Yにおいてはそのような関係は見られなかった。なおG_<M3>はマウス細胞のインスリン依存性増殖阻害活性をもつ。NIDDMにおけるインスリン抵抗性にはレセプター分子そのものの異常だけでなく、レセプター機能の調節活性をもつガングリオシドの発現異常も一因となっている可能性が考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)