Project/Area Number |
04250212
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
水落 次男 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教授 (90133149)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸野内 棣 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (90181825)
浜子 二治 藤田保健衛生大学, 短期大学, 助手 (80180933)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 人工糖脂質 / ネオグリコリピド / 糖鎖プローブ / レクチン / 病原性大腸菌 |
Research Abstract |
これまでに我々は、糖蛋白質の糖鎖部分の機能的役割を解明する新しいアプローチとして「糖蛋白質糖鎖を糖脂質糖鎖として取り扱う」ことを考案し、糖蛋白質由来の酸性糖鎖と中性糖鎖を効率よく脂質(ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン)に還元アミノ化反応を用いて導入する反応条件並びに作成した人工糖脂質を精製する方法を検討するとともに、この人工糖脂質を糖鎖プローブとして用いて糖蛋白質糖鎖の機能解析を行ってきた。本研究では、反応混合液の組成、反応温度、反応時間などを詳細に検討した結果、糖蛋白質由来の酸性糖鎖と中性糖鎖をほぼ満足できる効率で糖脂質化することに成功した。また、糖脂質化反応混合物から人工糖脂質を精製する方法を確立することができた。さらに、こうして作成した人工糖脂質混合物を、人工糖脂質に導人した糖蛋白質糖鎖の構造に基づいてTLCで展開分離した後、TLCプレート上に種々の動物レクチン、植物レクチン、杭エイズ剤、杭菌剤、病原性大腸菌などを重層して、それらの人工糖脂質糖鎖との特異的反応性を調べ、いろいろと興味ある結果を得た。とりわけ、復数の医療機関の様々な尿路感染症患者より分離した病原性大腸菌(MS型)を用いた研究では、感染に際してこれらの菌が、宿主細胞表面糖蛋白質糖鎖のうちで、高マンノース型糖鎖を受容体として特異的に識別して付着することを明らかにできた。そのため、この方法は薬剤耐性菌の解析や杭菌剤の開発にも応用可能である。また、人工糖脂質を組み込んだリポソームの作成などのためにスケールアップ実験を行ない、種々の糖蛋白質から様々な構造を有する糖鎖をそれぞれ10mg以上調製し、各糖鎖1mgを用いてその糖脂質化と人工糖脂質の精製に成功した。今後は、本研究で確立した手法を使って作製した様々な糖鎖を有する人工糖脂質を糖鎖プローブとして用いることで様々な糖蛋白質糖鎖の機能解析が可能となるであろう。
|