Project/Area Number |
04253119
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
南條 正巳 東北大学, 農学部, 助教授 (60218071)
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Project Period (FY) |
1990 – 1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Keywords | 土壌 / 蓄積リン / キレート剤 / フェリハイドライト / カテコール / アスコルビン酸 / 和水酸化鉄ゲル / ブレイリン |
Research Abstract |
土壌蓄積リンを作物に溶出再利用させる方法として、化学的手段による方法,土壌微生物,土壌酵素を利用する方法,リン吸収能の強い植物を選抜する方法などがある.これらのうち,化学的手段による方法の中には、還元条件で鉄型リン溶出を溶出させる方法,キレート剤を利用する方法,交換性イオンを1価イオンに替える方法などがある.これらのうち,キレート剤を用いる方法は実際の圃場条件では効果が出にくく,交換性イオンを1価に替えるとおおきなpH上昇を伴う.還元条件で鉄型リンを溶出させる方法は実際に水田中で進行する反応でもあり,これらの中では最も現実性が高い. しかしながら,土壌を湛水し,保温還元したときに増加するブレイIIリンの量は土壌によってまちまちであり,この現象を支配する要因は必ずしも充分解明されてはいない.ここでは鉄型リンのモデルとして,水田土壌中に普通に存在するフェリハイドライト類似の和水酸化鉄ゲルに収着したリン酸イオンを用い,有機還元剤によるリン酸イオンの溶出効果を検討した. 用いた還元剤はキレート能を合わせ持つものとしてアスコルビン酸,カテコール,1-アミノ-2-ナフトール塩酸塩,キレート能のない還元剤としてヒドロキノン,レゾルシン,4-アミノ-1-ナフトール塩酸塩を用いた.和水酸化鉄ゲル0.1gに30μmoleのリン酸イオンを収着させ還元剤の量と時間を変えてリン酸イオン,鉄の溶出量を調べた. その結果,(Z)-1,2-endiolの部分構造を持つキレート能を持つ還元剤はキレート能を持たない還元剤に比べてリン酸イオン,鉄の溶出能が高いことが示された.従って,土壌が湛水下におかれるときに単に還元状態になるだけでなく,キレート能のある物質が微生物または作物から放出さめると蓄積リンの溶出がより促進されると考えられる.
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Report
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Research Products
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