発癌物質の代謝活性化に関わるP-450遺伝子群の誘導的発現機構
Project/Area Number |
04253202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤井 義明 東北大学, 理学部, 教授 (00098146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 康夫 東北大学, 理学部, 助手 (10004467)
十川 和博 東北大学, 理学部, 助教授 (80175421)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥19,200,000 (Direct Cost: ¥19,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥7,200,000 (Direct Cost: ¥7,200,000)
Fiscal Year 1992: ¥12,000,000 (Direct Cost: ¥12,000,000)
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Keywords | 化学発癌 / 遺伝子発現機構 / ダイオキシン / 薬物代謝酵素 / Ahリセプター / cDNA / 遺伝子導入 / P450 / 転写因子 / Arnt / XRE / BTE / Ap1 / BTEB / リガンド |
Research Abstract |
化学発癌物質の代謝的活性化に強い活性を示すP450c(CYP1A1)とP450d(CYP1A2)についてその発現制御機構を明らかにすることが本研究の目的である。 これまでにCYP1A1遺伝子についてはその発現制御に必須な2種類の制御配列BTEとXREを決定し、CYP1A2遺伝子についても一つの発現制御領域を決定してきた。そしてCYP1A1遺伝子についてはBTEとXREに働く因子のcDNAクローニングを行ない各々の因子の単離に成功した。今年度はXREに働く因子についてその性質をかなり明らかにすることができたので報告する。XREに働く因子はダイオキシンやベンツピレンなどの多環性芳香族の多彩な生物学的効果1)催奇性、2)上皮組織の異形成、3)発癌のプロモーション作用、4)薬物代謝酵素の誘導作用の仲介をすると考えられるAhリセプターであることも我々によって先に明らかにされている。AhリセプターをCOS-7細胞に導入して細胞質を分離し、TCDDに対する結合活性を測定したところ超遠心分離で9Sの沈降定数をもちScatchard plotによってKdは0.27nMであった。AhリセプターはこのままではXRE結合活性を示さないが、これにArnt(Ah receptor nuclear translocator)を加えるとこれとヘテロ2量体を形成し、XRE結合能を示すようになることがわかった。マウスの種によってAhリセプター活性が低く、3メチルコラントレンによる化学発癌の感受性の低いものが知られている。DBA/2がそれであるがそのcDNAをクローニングして構造を決定した結果、C57BLのcDNAの終止コドンTGAがCGAに変異をしたために43アミノ酸伸長していること及びアミノ酸の置換が5箇所あることがわかった。このcDNAによってコードされるAhリセプターのTCDDに対するKdは1.66nMと高く、結合活性は6倍に低下していることが示された。 結合活性の低下がどの変異によるのかをsite-directed mutagenesisと2つのcDNAのキメラ遺伝子を作製して検討した結果、271番目のAlaからValの変異とC末端の43アミノ酸の伸長であることが明かとなった。ヒトのAhリセプターのcDNAを分離して構造を検討した結果、ヒトのAhリセプターにも多型が存在することがわかった。現在その受容体としての活性を検討している。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)