腫瘍抗原認識の分子免疫学的解析と担癌個体のサイトカインカスケード是正の研究
Project/Area Number |
04253225
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
浜岡 利之 大阪大学, 医学部, 教授 (60028529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 大美 大阪大学, 医学部, 助教授 (70116094)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥30,000,000 (Direct Cost: ¥30,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥15,000,000 (Direct Cost: ¥15,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥15,000,000 (Direct Cost: ¥15,000,000)
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Keywords | 担癌状態 / 免疫抑制 / 抗腫瘍T細胞 / T細胞レセプター / サイトカインネットワーク / CD4^+T細胞 / TGF-β / 抗原提示細胞 |
Research Abstract |
我々はこれまで担癌宿主における免疫応答能の解析によって、宿主の抗腫瘍T細胞応答が担癌ステージの進行と共に抑制されてゆくことを明らかにしてきた。今回、この応答性低下の分子機構の解明を目指して、(1)担癌マウスT細胞のT細胞レセプター(TCR)の構造的及び機能的な変化と(2)抗腫瘍サイトカイン産生の抑制を生み出すサイトカインネットワークの異常に関する解析を行ない、更に(3)サイトカインネットワークの乱れを是正することによるin vivo抗腫瘍効果を生み出す実験系の樹立を目指した。以下の成果が得られた。(1)正常、担癌マウスT細胞を用いてbiotinによるsurface labelingを行い、抗TCR抗体にて免疫沈降した後、2次元電気泳動にて解析した。その結果、TCRサブユニットの中でTCR-αβ鎖、CD3-γ,-δ,-ε鎖の発現量に関しては、担癌状態での減少は認められなかった。ところが、TCRの情報伝達に重要なζ鎖の細胞表面発現量は担癌状態、特に担癌8週以降の担癌後期マウスT細胞においては正常マウスT細胞に比べ著明に減少していることがわかった。(2)TNF-αとIFN-γがCSA1M腫瘍細胞に対する抗腫瘍サイトカインとして働くことをまず確認した。担癌早期T細胞は高レベルのIFN-γを産生したが、担癌後期T細胞のIFN-γ産生能は激減した。IFN-γmRNAの発現によってもこの推移がみられ、transcriptional levelで制御されていることも明らかにされた。一方TNF-αは主にマクロファージ系の細胞により産生される。しかしこの産生にはIFN-γの刺激が必要で、かつIL-6によりnegativeに制御されることを明らかにした。又、IL-6産生は担癌後期脾細胞ほど強いこともわかった。即ち、TNF-αの産生は正のmodulator(IFN-γ)産生低下と負のmodulator(IL-6)の産生増強によって二重に制御されてゆくことが明らかとなった。(3)rIL-12を担癌後期脾細胞培養系に添加したところ、IFN-γ産生能の著明な回復を認めた。又担癌4〜5週のマウスにrIL-12を投与したところ、驚くべきことに全例のマウスにおいて腫瘍の退縮・消失をみた。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)