Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Research Abstract |
原核細胞のDNAはHU蛋白質と結合し何らかに規則的な高次構造をとっていると考えられ、HU蛋白質とDNAの複合体の立体構造決定は、原核細胞のDNA複製,転写等の機能の理解に重要な意味を有している。本研究の目的はHU蛋白質・DNA複合体の構造をX線小角散乱及びコントラスト変調法を利用した中性子小角散乱法で決めることである。 1.好熱性細菌の大覧培養(約1kg)とHU試料の抽出・精製(60mg)を行った。 2.DNA20塩基対の合成・精製。二本鎖DNAの安定性及び蛋白質の結合性を考慮して中央にATsich,両端CGの二重螺旋(10mg)を合成した。 3.HU蛋白質単独のX線及び中性子溶液乱による回転半径は19Aと得られた。HU蛋白質の結晶構造解析により得られた分子構造を使って回転半径を計算すると、水溶液で二量体を形成していると仮定すると良い一致が得られた。 HU蛋白質が結合するDNA単独のX線及び中性子溶液散乱による回転半径は21Aと得られた。これはB型構造DNA(20塩基対)で期待される回転半径である。 Molar Ratio(-[HU蛋白質2量体]/[DNA20塩基対])をそれぞれ、0.66,0.71,1.0,1.18,2.08の試料によるX線及び中性子溶液散乱による回転半径が23Aから34Aにおよぶ結果が得られた。これは、DNA20塩基対螺旋にHU蛋白質2量体を2個結合した複合体及びその複合体が2個30度折れ曲がって結合した高次構造の平均構造モデルで説明できる。 HU.DNA複合体の構造は、Nacl塩濃度で変化する。Nacl塩濃度が10mg/ml以下になると、複合体粒子間の相互作用が強くなり、明確な回転半径は得られなくなる。
|