異常に安定なDNAのミニヘアピン構造とタンパク質との特異的相互作用
Project/Area Number |
04254204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
平尾 一郎 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (50173216)
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Project Period (FY) |
1990 – 1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ミニヘアピン構造 / ファージG4 / ファージφX174 / 複製開始機構 / GCGAAAGC断片 |
Research Abstract |
GCGAAAGCというDNA配列は、両末端の2つのG-C塩基対からなる異常に安定なミニヘアピン構造を形成する。この配列は、種々の生物のDNA中の特殊な部位に見いだされるので、複製や転写に関係するタンパク質の認識にこの構造が関与している可能性が示唆される。本重点研究では、ファージの複製開始領域に存在するこれらの配列の構造と複製開始機構の関係について重点的に調べた。 まずタンパン質との相互作用を調べるためには、これらのDNA断片の詳細な高次構造を知る必要がある。本年度は、GCGAAAGC断片と同じように安定なミニヘアピン構造を形成するGCGAAGC断片の構造解析を行い、その構造を決定することが出来た。この断片は現在知られているヘアピンを形成するDNA断片の中で最も短鎖長のものであり、ファージφX174の複製開始領域に存在する。種々の2次元NMRスペクトルよりGCGAAGC断片の全ての非易動性のプロトンとリンを帰属し、プロトン間の距離情報と角度情報による計算と力場計算を組み合わせて構造を決定した。その結果、GCGAAGC断片はA4とA5の間で折れ曲がり、G CGAAAGC断片と同様にGCGAとAGCのそれぞれのサブフラグメントは塩基間の強いスタッキングによって安定化されていた。そしてG3とA5の塩基間で塩基対が形成されていることが分かった。このG-A塩基対は、A5の7位の窒素を炭素に置き換えると、この構造の安定性が約10℃低下することからも証明することが出来た。 現在は、一本鎖DNAを遺伝子とするファージの複製開始機構機構を調べるために、大腸菌のRNAプライマーゼを調整し、これらのヘアピンとの結合を調べているところである。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)