Project/Area Number |
04254209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩崎 博史 大阪大学, 微生物研究所, 助手 (60232659)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 相同的組換え / Holliday構造 / RuvCエンドヌクレアーゼ / ReeAタンパク質 / RuvABタンパク質複合体 / branch migration / 十字型DNA / ATPase |
Research Abstract |
大腸菌ruvC遺伝子は、遺伝学的な解析から、相同的組換えの後期過程に関与することが示唆されていた。我々は、精製したタンパク質を用いて、RuvCタンパク質が相同的組換えの中間体と考えられているHolliday構造を特異的に切断するエンドヌクレアーゼであることを証明している。本研究期間においては、RuvCエンドヌクレアーゼの生化学的性質についてより詳しく解析し、以下のような知見を得た。 1、合成オリゴヌレオチドを用いて作成した十字型DNAはHolliday構造のアナログである。RuvCのDNA結合能は、通常の2重鎖DNAよりも合成十字型DNAに対するアフィニティーの方がより高い。 2、RuvCのDNA結合能は、Mg^<++>に有無に影響されないが、切断反応には必須である。 3、RuvCは、Holliday構造の交差点を中心にして全く点対称な位置で切幡する。 4、合成オリゴヌクレオチドで作製した十字型DNAのみならずY字型DNAもRuvは切断する。このとき、対称な位置にあるDNA同志に相同性が必要である。このことは、Holliday junction(Holliday構造の交差点)の位置の移動(branch migration)の可能な構造が、RuvCによる切断に必要なことを示唆している。また、RuvCタンパク質と同じように、組換え後期過程に関与すると考えられていたRuvA、RuvBタンパク質についてもin vitroの実験で、組換え中間体におけるHolliday Junctionのbranch migrationを促進するという証拠を得た。 これらのことから、組換え素過程において、次のようなモデルを提唱した。DNAに2重鎖切断などが生じた場合、プロセッシングにより単鎖DNAが形成される。RecAタンパク質がこの単鎖DNAに結合し、無傷の2重鎖DNAとの相同性を検索し、ヘテロ2重鎖を形成する(Holliday構造の形成)。形成されたHolliday junctionにRuvAB複合体が作用し、brance migrationを促進して組換え領域を拡大する。適当なところまでbranch migrationが進んだときRuvCがHolliday構造を切断解消する。このとき生じたニックはDNAリガーゼでシールされて組換え体が生じる。今後このモデルをより確かのものとするために、RecA、RuvAB、RuvC3種のタンパク質の機能のスウィチングについて解明されなければならないと思われる。
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