Project/Area Number |
04255208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 千賀子 神戸大学, 医学部, 教授 (20025571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 尚亮 神戸大学, 医学部, 構師 (60178499)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | プロテインキナーゼC / 分子種 / 電子顕微鏡 / 脊髄後角 / シナプス前部 |
Research Abstract |
痛覚伝達の一次求心線維の伝達物質の有力な候補であるサブスタンスPの受容体はフォスフォリパーゼC-イノシトール隣脂質代謝に関与している。脊髄後角にはサブスタンスP受容体が豊富であると共にプロテインキナーゼC活性が高いことからプロテインキナーゼCが痛覚伝達において重要な役割を果たしていると考えられる。痛覚伝達におけるプロテインキナーゼCの役割を明らかにするために、プロテインキナーゼC各分子種の脊髄後角における分布を詳細に検討した。カルシウム依存性のプロテインキナーゼC分子種であるα、β、γ分子種はすべて脊髄後角に存在するものの免疫電顕法によって、すべて分子種は後シナプスにのみ存在し、前シナブスには明かな免疫反応は認められなかった。今回、カルシウム非依存在のプロテインキナーゼC分子種であるε分子種に対する抗体を作成し脳内の分布及び細胞内の分布を免疫組織化学的に検討した。ε分子種は、海馬と小脳に多く存在し、どのカルシウム依存性プロテインキナーゼC分子種とも異なった分布を示した。これらの部位で、ε分子種陽性反応は、細胞体よりもむしろneuropilsに多く、免疫電顕の結果、軸索及び神経終末に多く細胞体、樹状突起には比較的低濃度である事が明かとなった。脊髄においてもε分子種陽性反応は、脊髄後角のneuropilに多く、一次求心性線維にε分子種が存在すると考えられた。これらの結果は、カルシウム非依存在プロテインキナーゼCが前シナプス性に、たとえば、伝達物質遊離の調節などによって痛覚伝達に関与していることを示唆している。
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