Project/Area Number |
04256203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
遠藤 剛 千葉大学, 理学部, 講師 (30194038)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 筋細胞分化 / 脱分化 / SV40largeT抗原 / 癌抑制遺伝子Rb / c-Jun / cdk2 / cyclinA / cdc2 / cyclinB / MAPキナーゼ |
Research Abstract |
C2SVTts11細胞(マウス骨格筋細胞株C2に誘導性のメタロチオネイン遺伝子プロモーターにつないだSV40largeT抗原遺伝子をトランスフェクトして得た形質転換細胞株)に,あらかじめ最終分化を起こして筋管細胞を形成させた後,largeTを発現させると,増殖を不可逆的に停止していると考えられていた細胞が再び細胞周期にはいり,細胞質分裂が起こる.この現象は脱分化とみなすことができる.そこで最終分化をした細胞が,血清刺激によっては分裂しないが,largeTを発現させると分裂する機構を明らかにするために,細胞の増殖を調節していると考えられている次のいくつかの因子の発現量と活性を,最終分化と脱分化の過程で調べた.(1)増殖の抑制にかかわっている癌抑制遺伝子産物Rb;(2)転写因子AP-1(c-Jun/c-Fos);(3)S期の誘導にかかわっているcdk2/cyclinA;(4)M期の誘導にかかわっているMPF(cdc2/cyclinB);(5)およびS期とM期の誘導にかかわっているMAPキナーゼ.Rbは未分化筋芽細胞ではほとんど発現しておらず,最終分化の過程で発現量は著しく増大した.しかし脱分化の過程ではその量は低下していった.また脱分化の際,largeTの発現と非常に協調的にc-Junが誘導された.cdc2/cyclinBとcdk2/cyclinAの発現量ならびにそれらのヒストンH1キナーゼ活性は,最終分化の過程で低下し,脱分化の過程で再び誘導された.MAPキナーゼ活性にも同様の変動がみられた.したがって血清刺激によってはもたらされないが,largeTによってもたらされるこれらの現象を介して,最終分化筋管細胞は再び細胞周期にはいりうると推定される.またlargeTによって誘導されたc-JunのもつAP-1活性により,cdk2,cdc2,cyclinA,cyclinBの転写がもたらされる可能性が考えられる.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)