ヒストンデアセチラーゼ阻害剤トリコスタチンを用いた増殖関連遺伝子内現の解析
Project/Area Number |
04256209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 稔 東京大学, 農学部, 助手 (80191617)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | ヒストンアセチル化 / トリコスタチン / 転写制御 / 細胞周期 / 分裂酵母 |
Research Abstract |
1.トリコスタチンA(TSA)超感受性変異株の解析トリコスタチンA(TSA)はマウスフレンド白血病細胞に強力な分化誘導活性を示すとともに正常線維芽細胞の増殖をG1とG2で可逆的に停止させる新しい細胞周期阻害剤であり、その標的分子はヒストンデアセチラーゼであることが明らかになっている。そこで本研究では、ヒストンデアセチラーゼをはじめ未だクローン化に成功していないヒストンアセチル化調節に関与する遺伝子群の取得とその解析を目指し、TSA超感受性変異株の分離を試みており、既にTSS101およびTSS201の2つの変異株の所得に成功している。これらの株は野生株では高濃度のTSAでも増殖阻害が見られないのに対し、1〜5μg/mlで増殖停止する。この2種の変異株は互いに異なる相補性群に属すが、ともに昨年度新たにヒストンデアセチラーゼ阻害物質として同定した環状テトラペプチドであるトラポキシンに対しても超感受性を示したことから、どちらの変異遺伝子もヒストンアセチル化の調節に関わるものと考えられた。TSS101のTSA超感受性は致死的であり、同時に存在する別の遺伝子座の温度感受性変異との共存により制限温度で生育可能になっていることが示唆された。一方、TSS201のTSA超感受性は静的であり、温度感受性などは伴っていなかった。これらの変異はいずれも劣性であったので、現在野生株のゲノムDNAライブラリーより相補する遺伝子のクローン化を試みている。 2.ヒストンアセチル化による遺伝子発現制御の解析SV40プロモーターの下流にクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子を連結したプラスミドを構築し、それをトランスフェクトした細胞にTSAを加えたところ、SV40エンハンサーの存在に依存してCATの著しい発現増加が認められた。このことから、TSAによるヒストン高アセチル化が遺伝子の発現の活性化を引き起こしている可能性が示唆された。
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Report
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Research Products
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