Project/Area Number |
04256215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
奥村 克純 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (30177183)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | DNA複製 / 遺伝子導入 / 蛍光in situハイブリダイゼーション / 主要組識適合抗原複合体 / 細胞周期 / HLA抗原 / 酵母人工染色体 |
Research Abstract |
本研究は、DNA複製系の解析に蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)法を導入し、細胞核内のDNAの動態を多数のカラーで検出・画像化して捉えることを目的として以下のような結果を得た。遺伝子導入系として、HepG2細胞に導入したエルスロポエチン(EPO)遺伝子は、特定の染色体の一ケ所に導入されていることが判った。また、新たに導入されたEPO遺伝子は、細胞周期のS期の前半に複製することが判明した。これは、新たに遺伝子導入されたものでactiveなものは、S期の前半に複製することを示した一例である。また、ジヒドロ葉酸還元酵素の遺伝子領域のDNAを入手し、マルチカラーFISHが可能となったところであり、複製系の解析まで進んでいないが今後の進展が期待される。これにかわる対象として、ヒト主要組識適合抗原遺伝子複合体領域のDNA複製の進行過程を解析した。この領域のHLA-ClassI,II,IIIの領域は、数多くのDNAクローンが入手可能で、また、ClassIIとClassIIIの間にDNA組成上、GC含量の変化する領域が存在する。ClassI,II,IIIのDNA断片のそれぞれの複製時期をFISHにより検討した結果、いくつかの細胞で、ClassIIのDNAが他の領域のDNAより遅く、複製していることが示唆された。また、GC含量の変化する境界領域のDNAの複製時期を解析した結果GC-rich領域と早期複製領域の一致が示唆された。さらに、3種のClassIII領域のDNA複製順序を解析した結果、調べた3種の細胞株で、平均値では、同一順序で複製されるが、必ずしも、全ての核で複製順序が一致しないことが示唆された。これは、従来の分子生物学的方法では、分子集合の平均値としてしか捉えることができなかったDNAを1コピーでも捉えることを可能にし、しかも視覚化できるFISH法の有効性を示すものである。また、YACクローンに対するマルチカラーFISHも示し、これを用いた、特定DNA領域のS期における伸張の解析方法も提示した。
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