Project/Area Number |
04256219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中別府 雄作 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (30180350)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | Fos / Jun / 細胞複製 / AP-1 |
Research Abstract |
血清や細胞増殖因子で休止期の細胞を刺激すると速やかに前初期遺伝子を発現し細胞複製を再開する。我々は、これまでに前初期遺伝子に属するFos遺伝子群の産物の中で△FosB蛋白質がAP-1としての転写調節能を欠くにもかかわらず細胞をトランスオームすることを明らかにしている。さらに△FosB蛋白質をエストロジェンレセプターとの融合蛋白質(ER-△RosB)として休止期のRat-1A細胞で単独発現させるとエストロジェン処理により融合蛋白質が活性化され、それだけでDNA複製が開始し細胞複製を少なくとも一回完了することを見いだした。本年度はER-△FosB蛋白質の単独発現によりDNA複製を開始した細胞での融合蛋白質の発現、細胞内分布、Jun蛋白質との相互作用さらに、融合蛋白質の発現量とDNA複製の相関関係を解析した。融合蛋白質はエストロジェン非存在下では核及び細胞質にそれぞれ約200ないし250分子存在するが、エストロジェン非結合状態では非常に不安定でJun蛋白質とも安定なヘテロダイマーを形成し得なかった。しかし、エストロジェン(1μM)刺激に伴い融合蛋白質は速やかに(30分以内に1000合子以上に達する)核に蓄積し、少なくともc-Jun,JunB蛋白質と安定なヘテロダイマーを形成していた。エストロジェン刺激6時間後には核内の融合蛋白質は約2000分子に達し平衡状態となった。またエストロジェン濃度を1nMから1μMまで変化させたところ、核内の融合蛋白質量はエストロジェン濃度に依存して増加し、且つDNA合成を開始した細胞の割合は核内の融合蛋白質量に比例することが明かとなった。以上の結果より、△FosB細胞核内でJun蛋白質と安定なヘテロダイマーを形成し、ゲノムDNAに働きかけてDNA複製開始に至るステップを制御しているものと考えられる。
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