Project/Area Number |
04257202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小保方 潤一 北海道大学, 理学部, 助教授 (50185667)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 葉緑体 / 光化学系I / 光合成 / 植物遺伝子 / 転写制御因子 / 形質転換植物 |
Research Abstract |
本研究では、光合成電子伝達鎖の形成を誘導する細胞内シグナルの実体を明らかにするための端緒として、タバコの光化学系I核遺伝子群に作用する転写調節因子について解析を行った。 まず、タバコ(Nicotiana sylvestris)から5種の光化学系I遺伝子についてゲノミッククローンを単離し、それらの遺伝子群の構造を詳しく検討した。核コードの光合成関与遺伝子としては、これまでリブロース2リン酸カルボキシラーゼの小サブユニット遺伝子(rbcs)や集光性クロロフィルa/b結合タンパク質遺伝子(cab)がよく調べられているが、今回クローク化した系I遺伝子のなかにはrbcsやcabなどで報告されたシス配列を幾種類かもつものと、一方これらの配列を全くもたないものの2種類があった。例えば、N・sylvestrisから単離したフェレドキシン結合性サブユニットの遺伝子psaDbはGT-1ボックス、GATA因子、GrobとStuberの報告した光反応性因子と一致する配列を転写開始点の上流域にもっていたが、一方、他の系I遺伝子であるpsaEbやpsaHaにはそれらのモチーフは見いだされなかった。これらの遺伝子はいずれも2-3コピーの小さな重複遺伝子族を構成していることを考慮すると、光化学系I遺伝子の発現誘導には少なくとも2種類のシグナル伝達系が関与していると考えるのが妥当かもしれない。さいわいpsaH遺伝子族については3つの遺伝子コピーを単離できたので、現在この遺伝子族を用いて個々のコピー間の比較解析を進めている。また、psaDb遺伝子については、5'上流域のデレーション系列をGUS遺伝子と連結した後Tiプラスミドを用いてタバコに形質転換し、T0世代からの種子を採取することができた。今後、これらの種子(T1世代)の実生を用いた実験系から系I遺伝子の発現調節因子について詳細な知見が得られてくるものと期待される。
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