神経細胞死におけるカルパインとカルパスタチソの遺伝子発現変動の形態学的研究
Project/Area Number |
04258203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
近藤 尚武 東北大学, 医学部, 教授 (20004723)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | カルパイン / カルパスタチン / 遺伝子発現 / ラット / 脳 / in situ hybridization |
Research Abstract |
Ca依存プロテアーゼのカルパインとその内在性インヒビターのカルパスタチンが、多種多様の細胞構成である脳でどんな発現局在を示すかを精査し、細胞内Caホメオスターシスの乱れに引き続く細胞死の機序解明の一助を得るのが本研究の目的である。一般に物質の局在は免疫組織化学により解析されるが、脳の場合は軸索や樹状突起およびそれらの突起内の特異な物質輸送機構の存在のためか、抗体の特異性の違いとも合いまって、ある物質の産生細胞体の同定は免疫組機化学だけではしばしば不完全である。実際、カルパインとカルパスタチンの脳内局在に関する数少ない免疫組織学的研究での所見の不一致は著しい。たとえばある報告では、脳全体としてカルパイン1型が主にニューロンに、カルパイン2型が主にグリアに局存するとされるが、他の報告ではカルパイン1型が双方の細胞に局在するといわれる。海馬領域に限っても、ある研究ではカルパインの発現は僅かであるというが他ではカルパイン1、2型が多数の別々のニューロンに局在すると記載されている。そこで本研究では、各物質の正常脳内での遺伝子発現についてin situ hybridization法による解析をおこなった。尚、カルパインの遺伝子プローブは既報のウサギの知見をもとにラット脳からクローニングをして得た。カルパスタチンmRNAの発現は終脳から延髄にかけて主として灰白質に広く認められ、特に脳幹の諸種の運動神経核に強く検出された。海馬では錐体細胞層全域と歯状回果粒細胞層に同程度にこのmRNAの発現が観察された。小脳ではプルキニエ細胞にやや強く発現が認められた。さらに脳の外境界膜と上衣細胞層そして脈絡叢にも発現が検出された。一方、カルパイン2型のmRNAの発現は脳幹の諸種の運動神経核に強く認められるが、間脳と終能では概してその発現が弱く、灰白質と白質との発現強度に大差がなかった。カルパイン1型の発現局在については目下解析中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)