神経細胞の変性、壊死における脂質過酸化とその防御、修復因子の意義
Project/Area Number |
04258224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
渡辺 慶一 東海大学, 医学部, 教授 (00055865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 一士 東海大学, 医学部, 助手 (70209542)
吉村 眞一 東海大学, 医学部, 助手 (30230808)
竹腰 進 東海大学, 医学部, 助手 (70216878)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | キノリン酸 / 線条体 / 神経細胞壊死 / 脂質過酸化 / グルタチオン・ペルオキシダーセ / ハンチントン病様病変 |
Research Abstract |
キノリン酸(QA)は、“endogenous excitotoxin"として知られ、また、ラット線条体への投与でハンチントン病様病変を発生させることで注目されていた。しかし、その作用機序については何ら解明されていなかった。我々は、昨年度までの本研究で、ラット肝細胞より作製した燐脂質リポリームにO_2、Fe^<3+>の存在下でQAを作用させ、QAの濃度依存性の脂質過酸化(LP)増強を認めた。一方、阻血一再疎通でラット大脳に作製した軟化巣(神経細胞壊死、変性)では、神経細胞のGlutahione Peroxidase(GSH-PO,LPのもっとも有効な防御因子)は消失し、同部位でのLPの増強が認められた。興味あることに軟化巣周辺部には、所得"active astrocytes"の集中像が認められ、これらには、正常astrocyteには殆ど認められなかったGSH-POが増強していた。そこで、我々はBealらの方法に従い450nM/1mlのQAをラット線条体に直接注入し、ハンチントン病様病変の作製を試みたが、通常病理組織学的検索では、半数以下に線条体の軽度の縮小を認めたのみで、有意な変化は観察されなかった。しかし、GSH-POの免疫組織化学的、生化学的(免疫測定法)検索では、神経模胞にこれらの軽度の減少が観察された。明瞭な壊死、変性巣が発生しなかったが、astrocyteを始めグリア細胞におけるGSH-POの増強は認められなかった。その後、これも神経細胞毒と見なされているキノホルムをラットに皮下大量投与した実験では、それらの線条件で、GSH-POの神経細胞におけるごく軽度の減弱と、グリア細胞における軽度の増強が認められた。これら神経細胞毒の投与量、方法に色々問題があり、仲々期待したような病変が得られなかったが、軽度ながらLPの防御系としてのGSH-POなどの減弱が認められた。GSH-POの活性基として、またその合成に必須であるセレニウムの欠乏ラットを使って同様な実験を行った場合、より明瞭な病変とLPのPathogenesisとして意義が明らかにされるものと思う。
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Report
(1 results)
Research Products
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