Project/Area Number |
04259207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
依田 幸司 東京大学, 農学部, 助教授 (20143406)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 酵母 / 細胞内輸送 / Uso1遺伝子 |
Research Abstract |
酵母において小胞体-ゴルジ体間の蛋白質輸送に関与するUso1蛋白は、1790アミノ酸よりなる親水性蛋白で、C末端側約1000アミノ酸がcoiled coilのαヘリックスを形成して繊維状の二量体となると予想している。N末端領域及びC末端領域各々約500アミノ酸の配列を認識する抗体を用いUso1蛋白の性質について解析を行った。先の実験では膜への結合を示唆する結果などが得られていたが、抗体の特異性に問題を残していたことが分かったので、厳密な再検討を行った。その結果、大部分のUsol蛋白は細胞質に存在し、蔗糖密度勾配遠心では分子量約250Kの球状蛋白であるカタラーゼとほぼ同じ位置に沈降した。Uso1二量体の予想分子量は412Kであるが、分子量約500Kの繊維状蛋白ミオシンもほぼ同じ位置に沈降することから、沈降速度の小ささは分子の形状に起因すると考えられる。 温度感受性uso1-1変異株では、N末端領域に対する抗体では野生型酵母でみられる200Kの蛋白が検出されず、野生型ではみられない100Kの蛋白が抗体に反応して検出された。この100Kの蛋白はC末端領域に対する抗体では検出されなかった。このことはuso1-1変異がナンセンス変異かフレームシフト変異である可能性の示唆するため、この前提で変異があると予想される領域約1000塩基の配列を決定した。その結果、951番目のアミノ酸であるグルタミンのコドンCAGがナンセンス・コドンTAGに変異していることが明らかになった。即ちこの温度感受性変異株ではN末端領域950アミノ酸からなる不完全なUso1蛋白を作っており、約1000アミノ酸に及ぶcoiled coil構造のうち200アミノ酸以降は25℃では機能的に必要でないと考えられる。一方、この温度感受性変異は培地中のカルシウム濃度を増すと抑制され、許容温度においてもカルシウム・キレーターEGTAに対する感受性が高いなどの性質があることから、カルシウムがUso1蛋白の機能に必須であることが示唆された。
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