高血圧自然発症ラット(SHR)における高血圧発症機構の分子生物学解析
Project/Area Number |
04260103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
八木澤 仁 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (40192380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野島 博 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (30156195)
鎌田 英明 姫路工業大学, 理学部, 助手 (10233925)
平田 肇 姫路工業大学, 理学部, 教授 (40049052)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 高血圧 / ホスホリパーゼC / 遺伝子連鎖解析 / アミノ酸置換 / 細胞内カルシウム / IP_3結合 / 遺伝子発現 / 高血圧自然発症ラット(SHR) |
Research Abstract |
我々は少数の遺伝子の異常が本態性高血圧症の遺伝子的素因を構成しているという作業仮説を立て、高血圧自然発症ラット(SHR)を使用して主に細胞内情報伝達に関わるタンパクの遺伝子の構造について正常ラットとの異同を調べてきた。一昨年、SHRのホスホリパーゼC(PLC)のδ1アイソフォームにアミノ酸置換を伴う遺伝子変異が存在することを報告したことに基づき本年度は以下の研究を行った。変異部を含む部分ペプチドを合成しNMRを用いた予備的実験を行ったところ、SHR型ペプチドは正常型ペプチドと比べて疎水性が高く、正常型ペプチドから得られるβ構造由来の信号が見られなかった。遺伝子から推定される立体構造変化が実際の分子を反映している可能性が高い。また、PCR-RFLP法による遺伝子連鎖解析により、PLCδ1のSHR型の遺伝子型が血圧とは緩い逆相関を示すことを報告し、このアレルが血圧上昇に対して抑制的に作用している可能性を示した。最近PLCのδ型アイソフォームが細胞内Ca^<2+>動員2次伝達物質であるIP_3と結合することが示され、このアイソフォームの細胞内Ca^<2+>調節機構における役割に興味が持たれ始めているが、大腸菌で発現させたPLCδ1もIP_3結合活性を示した。現在SHR由来のcDNA発現産物と正常ラット型発現産物のPLC酸素活性ならびにIP_3結合活性を詳細に比較検討中である。また発現産物を用いてモノクローナル抗体を作製した。また我々はPLCδ1の遺伝子座がIP_3受容体と同じ第8染色体に位置することを決定した。さらにPLCδ1と相同性をもつ遺伝子が、酵母の増殖において重要な役割を果たし、ラットの遺伝子が酵母の遺伝子に代わり得ることを明らかにした(東大理・植物との共同研究)。今後我々は、血管内皮・平滑筋細胞にPLCδ1の遺伝子あるいはそのアンチセンスを導入し、その影響を調べる予定であるが、これに関して細胞膜膜融合性ペプチドを用いた標的細胞への効率的な遺伝子導入法を開発した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)