先天性プロテインS異常症における血栓症発症の分子機構の解明
Project/Area Number |
04260210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
鈴木 宏治 三重大学, 医学部, 教授 (70077808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 辰弥 三重大学, 医学部, 助手 (00242959)
重清 俊雄 徳島大学, 医学部, 講師 (50162582)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | プロテインS / プロテインC / 先天性プロテインS欠損症 / 先天性血栓性素因 / 血栓症 / 遺伝子解析 / 遺伝子異常 / 先天代謝異常 |
Research Abstract |
プロテインS(PS)は血小板は血管内皮細胞膜上における活性化プロテインC(APC)のレセプターとなり、APCの凝固阻害活性を促進するコファクターとして機能する。PSは血液中ではその約40%は遊離型として、残りの約60%が補体系制御因子のC4b結合蛋白質(C4bp)との複合体として存在し、遊離型のみがAPCのコファクターとして機能する。一昨年、我々は世界に先駆けて血栓症を発症したPS欠損症患者で非常に希なIII型PS欠損症(コファクター活性を示す遊離型PS蛋白量に比較してコファクター活性が低値を示す症例)を発見した。昨年、患者は正常PS分子と異常PS分子を有するヘテロ接合体PS異常症であることを明らかにし、異常分子を発見地にちなんでPS徳島と呼んだ。PS徳島分子はSDS-PAGEで正常PS分子に比較して見かけ上高分子量に泳動されること、また正常PS分子に比較してトロンビンによる分解を受けにくいこと、PSのカルシウム依存性の立体構造を認識するモノクローナル抗体やトロンビン感受性ドメインを認識するモノクローナル抗体との反応性が低下していたことから、何らかの蛋白質構造あるいは糖鎖構造の異常が推定された。本年度は、PS徳島における異常を明らかにするため、患者PS遺伝子の解析を行った。患者PS遺伝子の成熟PS領域をコードする第2〜第15エクソンおよびそれらのエクソン-イントロン接合部位を含む領域をPCR法で増幅し、その塩基配列を解析した。その結果、患者PS遺伝子の偽遺伝子(β遺伝子)以外では、機能伝遺子(α遺伝子)の第6エクソンの約半数のクローンにおいてAからGへの一塩基変異を認め、他のエクソンに異常はみられなかった。この結果からPS田島分子の第2EGFドメインにLys(155)→Glu置換が生じたことが明らかになった。現在、Lys(155)をGluに変異させた組換えプロテインSを作製し、機能異常との関係を検討している。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)