遺伝的多型と連鎖の解析による遺伝子病保因者診断への新しいアプローチ
Project/Area Number |
04260226
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
今村 孝 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 教授 (00037368)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 衡 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助手 (70188960)
|
Project Period (FY) |
1991 – 1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 遺伝子診断 / 分子病 / 保因者 / 多型 / 連鎖マーカー / サラセミア / 筋ジストロフィー症 |
Research Abstract |
遺伝病の原因を遺伝子(変異)のレベルにまでさかのぼって解析できれば、各家系における保因者診断は最も確実なものとなる。 この研究では、比較的小さな遺伝子領域の変異の解析モデルとしてβグロビン遺伝子を選び、グロビンの合成障害をきたすサラセミア遺伝子変異の解析方法を検討した。目的の領域をPCR増幅し、直接、塩基配列の解析を行うことによって、ヘテロ接合保因者の遺伝子変異部位で正常と異常の2塩基配列を同時に検出することができる。この方法を用いて、日本人家系から新しいβサラセミア(IVS-1-2G→A)変異を見い出した。βグロビン遺伝子領域では、サラセミアの原因となる変異はすでに80種類以上が知られているから、病因に関する遺伝的異質性が明らかである。したがって、常に新しい変異に遭遇する可能性を考えると、直接シーケンスが有 用である。また、比較的大きな遺伝子でも、イントロンが除かれた後のmRNAは、塩基配列の解析が可能な範囲の大きさを持つことが多い。とくに、HPRT遺伝子(44kb)のように、どの組識細胞でも発現されるようなものでは、RT-PCR法を用いて、mRNAからcDNA(1.6kb)を増幅合成し、直接シーケンスを目指すことができる。 一方、Duchenne型筋ジストロフィ症(DMD)遺伝子、血友病A遺伝子などに代表される巨大遺伝子では、個々のエクソン領域の塩基配列を詳しく解析することは実際的でないので、目的とする遺伝子領域内の多型を連鎖マーカーとする間接的な診断方法を選択しなければならない。DMD遺伝子領域には、5′DYS-I、-II、-III、IV、また、イントロン44、45、49、50などの2塩基(CA)n繰り返し配列が存在する。日本人集団について調べた結果、これらのマーカー遺伝子は、いずれも複対立遺伝子で構成され、平均ヘテロ接合性は70%以上を示した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)