分子進化を中心とする遺伝子情報解析のための人工知能システムの開発
Project/Area Number |
04261202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
安川 辰男 東京農工大学, 工学部, 教授 (00006298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園山 正史 東京農工大学, 工学部, 助手 (40242242)
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Project Period (FY) |
1991 – 1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 分子進化 / 遺伝子情報 / 人工知能 / 蛋白質高次構造 / 蛋白質分解酵素 / 折りたたみシミュレーション / 高次構造予測 / アミノ酸変異 |
Research Abstract |
現存する酵素、その他の蛋白質は長い進化の過程の形成されたものであり、その作用機構を解明したり、さらには新規蛋白質を設計するなどの蛋白質工学的研究には分子進化的アプローチが有力な指針を与える。遺伝情報の変化は正確にはDNAの塩基配列上で生じるのに対し、淘汰による選別はその発現した蛋白質の構造や機能を通して行われるという二段階機構で進行するため分子進化の解明には高度な情報処理が必要となる。本研究ではその起源が旧く多様な役割を果たしている蛋白質分解酵素の分子進化をBrennerのセリンプロテアーゼはシステインプロテアーゼのシステインがセリンに変異することで生じたとする仮説の検証を当面の課題として取り上げた。現在結晶構造が報告されている11種のキモトリプシン・ファミリーについてアミノ酸の置換頻度を調ベたところ、コイル部分81%,αヘリックス部分71%,βシート部分59%が非保存的置換をしていることが検出された。このような高い変異率にもかかわらずこのファミリーの各メンバーはN末端およびC末端側にβバレル構造を持ち全体構造も高い類似性を持つこと、さらに分子力学計算により評価したβバレル構造安定化の原因となる残期間相互作用のパターンが類似していることが示された。この結果はキモトリプシン・ファミリーでの分子進化はその基本骨格を保存するような強い制約の下で進行していることを示唆している。システインプロテアーゼで結晶構造が報告されているのは2例しかなく、いまのところ立ち入った考察は進んでいない。このためにはアミノ酸配列から3次元構造を予測することが必要となる。現在アニーリング法による蛋白質の折りたたみ過程のシミュレーションおよび3次元構造予測システムの開発を並行して進めており、特に,初期過程のシミュレーションのためのPeral necklaceモデルが有用なことを見出した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)