Project/Area Number |
04263220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北川 泰雄 名古屋大学, 教学部, 教授 (50101168)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 平滑筋細胞 / 基底膜 / ラミニン / 血管新生 / 分子シャペロン |
Research Abstract |
基底膜は血管内壁を形成している内皮細胞の表裏極性決定、増殖や遊走に作用するだけでなく、外側にある平滑筋細胞との隔壁としても重要である。基底膜の主要糖タンパク質であるラミニンはA、B1とB2鎖が会合した十字架構造をしているが、最近、多様な異型体が発見された。これらには、筋肉膜のメロシン、シナプス基底膜のS-ラミニンや真皮基底膜のカリニンなどがある。我々はこれらが同じ会合機構を共有して「サブユニットすりかえ」によって多様な複合体を作ることを要した。血管内皮細胞ではA鎖に加えてA'鎖が発現され、AB1B2とA'B1B2の2種類の複合体が同時に形成されている。この事実によれば、「内皮細胞は血管新生における脱着、極性喪失、遊走と再接着などの諸過程に応じて異なるラミニンを使い分けている」という仮説が可能である。ラミニン各鎖の会合領域にはheptad repeatがあり、これで形成される疎水性面が鎖間会合力になる。この機構では、会合前の単量体や2量体を可溶状態に保つために分子シャペロンが必要である。このような分子シャペロンをDithiobisSuccinimidyl Pronionate(DSP)処理で細胞内ペプチド間に架橋を形成させる手法で検索したところ、約80、60と50kDのペプチドがラミニン鎖に架橋されていることが判明した。これらのペプチドは以下のような特徴を示した。1)約50kDaのペプチドはHSP47抗体と交差反応を示さない。2)各分子シャペロン様ペプチドとラミニン各鎖間の相互作用の選択性は低い。3)1分子のラミニン鎖に対して多数の分子シャペロン様ペプチドが架橋される。4)モネンシンなどのイオノフォア添加で細胞内小胞のpHを攪乱するとこの相互作用は消失する。
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