アゴニストおよび張力刺激による血管内皮由来弛緩因子の生成増強機構
Project/Area Number |
04263235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
加藤 隆一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40112685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中木 敏夫 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30164148)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | 細菌内毒素 / TNF-α / IL-1β / NO生成酵素 / 平滑筋細胞 / N-メチルアルギニン / デキサメサゾン / 内皮 |
Research Abstract |
ラット大動脈リングを用いた本報告者のこれまでの研究により、細菌リポ多糖(LPS)の存在では、内皮が存在することにより最大収縮反応の低下が促進されることが示された。内皮が存在すると反応低下が促進される一つの可能性としてサイトカインの関与が考えられる。LPS単独では平滑筋細胞中NO合成酵素誘導は緩除にしか起こらないと、およびLPSとサイトカインが存在すると平滑筋細胞中NO合成酵素誘導は著しく加速される可能性について実験し、上記の現象がサイトカインで説明できるか否かにつき検討したものである。〔方法〕ラット大動脈平滑筋細胞を継代培養し、TNF-α、IL-1β、LPSの組み合わせで刺激し、上清中の硝酸イオン、亜硝酸イオン(NOx)濃度をグリース法を用いて計測した。細胞培養液は低LPS濃度(<1pg/ml)の注射用蒸留水(大塚製薬)を用いて調製し、全てのガラス器具は摂氏250度で2時間乾熱滅菌し使用した。細胞培養液、添加試薬は実験前にLPS濃度を測定した。〔結果〕LPS(100ng/ml)あるいはTNF-α(5000U/ml)の単独処置では、48時間まで有意なNOx産生を示さなかった。TNF-αとLPSの同時処置では時間依存性かつLPS濃度依存在にNOx産生がみられ、N-メチルアルギニン(500μM)またはデキサメサゾン(1μM)同時添加により抑制された。一方、IL-1β(100U/ml)は単独処置で有意なNOx産生がみられ、LPS同時処置で増強作用を認めた。TNF-α、IL-1βは同時処置で相乗作用を認めた。〔考察〕培養血管平滑筋に於いては、LPS単独ではNO合成酵素誘導は48時間以内には起こらず、また、低LPS環境(<20pg/ml)でTNF-αは単独ではNOx産生能を持たず、LPSまたはIL-1β添加を必要とした。以上のことより、内皮が存在することにより血管収縮反応の低下が促進される現象には、血管におけるサイトカインおよびNO合成酵素誘導の関与が考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)