接着分子カドヘリンを介した内皮細胞間接着の制御機構
Project/Area Number |
04263238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
月田 承一郎 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (50155347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
月田 早智子 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (00188517)
永渕 昭良 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (80218023)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | カドヘリン / α-カテニン / β-カテニン / アドヘレンスジャンクション / アクチン / チロシンリン酸化 / 内皮細胞 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
マウスの内皮細胞株KOPを培養し、種々の抗体で間接蛍光抗体染色を行なった。その結果、特にαカテニンの抗体で細胞間の接着部位が明瞭に染色された。また、この細胞のシートにマウスの脾細胞を接触させてから同様の染色を行うと、細胞間の接着がジッパーが開くような様式で開裂する様子を見ることができた。以上のことは、αカテニンが内皮細胞のカドヘリン分子にも結合して機能していることを示唆しており、また、この抗体が内皮細胞間の接着の様子をみるプローブとしても優れているこを示している。そこで、このαカテニンの機能を探る研究を行った。αカテニンは、種々のタイプのカドヘリン分子の細胞質領域に強く結合している蛋白質で、カドヘリンの接着機能に必須の蛋白質であることが知られている。我々は、昨年この蛋白質のcDNAをクローニングすることに初めて成功し、ビンキュリンと呼ばれる細胞膜裏打ち蛋白質に相同性があることが分かった。また、このcDNAを用いて大腸菌にリコビナント蛋白質を作らせて、それを抗原として広く種を越えてαカテニンを認識するモノクローナル抗体を得ることに成功した。この抗体を用いてヒトの癌細胞の細胞株を調べると、PC-9と呼ばれるヒト肺癌細胞株ではαカテニンの発現が見られないことが分かった。この細胞はカドヘリン分子を正常に発現しているにもかかわらず、細胞間接着能がほとんどないことが知られていた細胞である。このことから、αカテニンの発現が、カドヘリンの接着機能にとって必須であることが証明された。αカテニンとともにカドヘリンに結合していると考えられているβカテニンの機能についても詳細に解析を行いつつある。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)