Project/Area Number |
04264216
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
竹門 康弘 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (50222104)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷田 一三 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (20167505)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | 陸水 / 底生動物群集 / 生息場所改変作用 / 琵琶湖 / タンガニィカ湖 / 魚類採餌行動 / 砂泥底酸化還元層 / 捕食者-被食者関係 |
Research Abstract |
本研究は、陸水動物の生活による生息場所変作用が動物群集の組成や生産に与える影響を検出し、種間関係における「副作用」を通じて群集機構を考察するものである。今年度は、琵琶湖北湖の菅浦で毎月3〜5日間潜水調査を行い、「石単位採集法による定量採集」「ディマージェンストラップによる底生動物・プランクトンの浮き上がり量の測定」「素焼タイル板・自然石・ガラス板への底生動物移入実験・囲い込み実験」「ライトトラップによる水生昆虫成虫の採集」「魚類の微生息場所別分布調査」を実施した。これらの調査資料により、1)北湖沿岸域における底生動物群集の種組成・生息場所分布・生息密度、2)底生動物の移動の種間差・季節変化、3)底生動物の新生息場所への移入曲線および魚類排斥の影響、4)砂泥底表面付近における酸化層の厚さの水深分布・季節変動・魚類排斥の影響、5)沿岸帯魚類の分布ならびに生息密度などが明らかになった。その結果、淡水海綿と2類のヒゲナガトビケラとの間の住み込み関係・淡水貝類の砂泥底攪乱作用・テナガエビやヌマチチブの石礫占拠による影響などが、本研究のサブテーマとして浮上した。ただし、底生動物の密度・分布・新基質への移入・砂泥底酸化層の厚さなどの変動には、水深・季節・底質といった無機環境要因が中心的な働きをしていることが判った。これは、琵琶湖にはナワバリを作って定住する魚が少なく、魚類の行動自体も季節的に制限を受けるため、タンガニィカ湖で見いだされたような魚類の社会構造と底生動物群集との間の密接な相互作用機構が表れにくいことを示している。一方、当初予定した琵琶湖以外に、奈良県吉野川・ロシア極東の山地河川・東マレーシアの山地河川でも本テーマに通じる野外調査を行う機会があり、タンガニィカ湖の調査結果と合わせて、陸水底生動物群集における捕食者-被食者関係の「副作用」を通じた群集機構の考察材料としたい。その準備として、本研究テーマに関する総説を行った(業績リストの1番目)。
|