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¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
βサブユニットの174残基がSerからPheに変換して機能を失った株から復帰変異株を分離し、第2の変異として、Gly149→Ser,Asn158→Tyr,Ala295→Pro,Leu400→Glnが見いだされた。つぎに第2の変異単独での活性に対する効果を調べたところ、Ala295→Proの変異では機能の欠損がおこるが他のものでは欠損は見られなかった。また、Ala295→Proの変異の復帰変異を分離したところ、174残基近傍に第2の変異が認められた。したがって、Ser174近傍に、Gly149,Asn158,Ala295,Leu400の残基が存在し、活性所現に必要な親水的な空間を形成しているものと推定された。 次に、βサブユニットに結合する2種のモノクローナル抗体(β31とβ12)を単離した。エピトープを解析したところ、アミノ末端から45残基付近に存在が示唆された。さらに、この45残基目を含むペプチドに変異を導入し、抗体との結合能が失われるものを分離し、変異を同定した。この結果、結合活性を失ったのは、β31ではLeu40→Pro,Glu41→Lys,Gln43→Arg,Glu44→Arg,Leu46→Pro,Arg52→Cysであり、β12では、Tyr26→His,Arg52→Cys,Pro74→Glnであった。従って、この2つの抗体は45残基付近の立体構造を認識し、45残基近傍は、推定2次構造ではβシートを形成していると考えられた。これらの抗体は、F^1およびαβγ複合体には結合せず、エピトープ部分はサブユニットの分子集合に伴い、複合体内部に存在すると考えられる。現在抗体結合能を失った変異における機能欠損を解析中である。以上のアプローチにより構造の微小変化と機能の変化の相関を捉える新たな方法が確立できた。
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