Project/Area Number |
04266216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
井上 勲 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助教授 (80001973)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ミトコンドリア / イオンシャネル / パッチクランプ法 |
Research Abstract |
ミトコンドリアは有機・無機イオン、さらにタンパク質を含むより大きな物質を取り込み放出している。ミトコンドリア膜のイオン・物質運送のダイナミクスを調べることはエネルギー生産-転換共役系研究に欠かせない重要課題である。 パッチクランプ法は、膜のイオン透過の動態を一分子レベルかつリアルタイム検用するための最も強力な分析手段である。我々はfused giant mitoplastsを用いてミトコンドリア内膜から初めてイオン選択チャネルを同定した。このチャネルはコンダクタンス約10pSでK^+に高い選択性を有する。さらにこのチャネルはマトリクス内ATP濃度が減少したときK^+を透過させる性質があることが判明した。このことからこのチャネルはATPセンサーとしてミトコンドリアのエネルギー共役膨潤一収縮サイクル、および動物したイオンや物質運送に強く関わっていることが強く示唆された。 平成4年度の研究でこのチャネルは7量体のクラスターを形成することが確かめられた。またATP感受性K^+チャネルの特異的阻害材であるグリベンクラミドが呼吸活性を低下させることがわかってきた。すなわちK^+チャネル活性はミトコンドリアのエネルギー共役に関係していることが示唆された。受動的なイオン運送システムの理解のためにはさらにできるだけ多くのイオン選択性チャネルを同定する必要がある。また、カリウムチャネルの開閉がATPの他にどの物質によってコントロールされるのかを調べることは重要である。特にカルシウムイオンの役割を重点的に調べる。生体膜のカリウムチャネルの多くは細胞内外のカルシウムイオンによって調節されていることが知られており、ミトコンドリアにおいてもカルシウムイオンと共役したカリウムイオン運送が示唆され、またカルシウムイオンの酸化的リン酸化の関与も最近示唆されている。
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