Project/Area Number |
04267220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
金子 章道 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00051491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 悟 慶応義塾大学, 医学部, 助教授 (80138122)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 双極細胞 / グルタミン酸 / Gタンパク / パッチクランプ / プロテインキナーゼC / Cyclic GMP / GTP |
Research Abstract |
視細胞は光刺激に対し過分極応答を示すが、双極細胞には脱分極する細胞(ON型)と過分極する細胞(OFF型)がある。視細胞の伝達物質L-グルタミン酸(glu)は暗時に放出されており光が放出が減少する。ON型双極細胞は光に対しコンダクタンス増加を伴う脱分極応答を示す。従ってgluはON型双極細胞のコンダクタンスを低下させ過分極を引き起こすはずである。本研究ではこの点を検討するためにネコ網膜からパパイン処理で双極細胞を単離しパッチクランプ法(whole cell clamp)で記録した。 1mM cGMPと1mM GTPを含む液を詰めたパッチ電極を用いて-40mVに電圧固定すると、約90%の細胞(N=159)では内向き電流が発生し、数分で最大(約50pA)となり持続した。このように細胞にglu(100μM)を投与するとコンダクタンス減少を伴って内向き電流は減少し見かけ上外向き電流が記録された(逆転電位は0mV)。少数(<10%)の細胞では持続性内向き電流は観察されず、gluの投与ではコンダクタンス増加を伴う内向き電流が発生した(逆転電位は0mV)。杆体から入力を受ける双極細胞(ON型)は抗プロテインキナーゼC抗体(抗PKC抗体)に対し陽性の免疫反応を示すことが報告されている。そこでコンダクタンス減少を伴うglu応答を示す細胞がPKC免疫反応陽性であるかどうかを調べた。多くは陽性であったが陰性でもコンダクタンス減少を伴うglu応答を示す細胞が観察された。従ってコンダクタンス減少を伴う応答の発生にPKCが直接関与しているとは考えられない。ON型双極細胞のglu応答発生にはcGMP、GTPが必須で、phosphodiesterase阻害剤投与で応答が変化するという報告もある。従ってON型双極細胞の応答発生はGタンパクと共役した機構によると考えられ、視細胞の機構と酷似しているといえる。今後分子的機構を含め詳細に解析を進めたい。
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