Project/Area Number |
04267221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
山口 和彦 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (00191221)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 逆行性伝達物質 / アラキドン酸 / Kチャネル / 培養神経細胞 / 神経突起末端部 / パッちクランプ法 / ホールセルクランプ法 |
Research Abstract |
本研究は(1)逆行性伝達物質が脊椎物物シナプス前末端部に作用する証拠を得ること(2)その分子機構を検討すること、を目標とした。 (1)脊椎動物シナプス前末端部のモデルとして培養脊髄後根神経節(DRG)細胞神経突起末端部を用い、この部分のイオンチャネルに対する逆行性伝達物質、特にアラキドン酸作用について検討した。成熟ラットDRG細胞の単離培養系では太い(直径10μm)神経突起末端部を得ることができ、イオンチャネルについてパッチクランプ法により調べることができる。特にKチャネルに及ぼすアラキドン酸の効果について、ホールセルクランプ法により調べた。その結果アラキドン酸は50μMでは脱分極で開くチャネルを通る外向き電流を弱く(8%)抑制した。500μMアラキドン酸は多くの突起先端部(63%)て外向き電流を抑制した(23%)。これらの結果はアラキドン酸が伝達物質放出に増強的に効く可能性を示唆しらいる。しかし17%の突起先端部においてアラキドン酸は外向き電流を増強させた。ホールセルクランプ法では細胞内情報伝達系がウオッシュアウトされるため、その程度の違いによって結果にばらつきがでたのかも知れない。ともかくアラキドン酸ガ脊椎動椎神経末端部のイオンチャネルに作用することを本研究は初めて示し、伝達物質放出調節に関与し得ることせ示唆した点は意義深い。 (2)分子機構について:上記アラキドン征の効果は神経末端部のCa濃度を調節し貯蔵サイトから放出サイトに顆粒を移行させる過程を制御するモデルに有利であるが、活性帯からの速い伝達物質放出過程に逆行性伝達物質が効く可能性もある。これを調べるため、海馬、大脳皮質等の脳切片共培養系を開発し、活性帯の分化した場合とそうでない場合でアラキドン酸のシナプス伝達に及ぼす吉用に違いがあるか否か検討しつつあるが必ずしも安定したシナプス結合が得られず実験は容易ではない。
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