神経栄養因子とその受容体の遺伝子発現よりみた虚血性脳損傷修復機構・解析
Project/Area Number |
04268208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山田 和雄 大阪大学, 医学部, 講師 (90150341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 秀夫 大阪大学, 医学部, 助手 (50240841)
早川 徹 大阪大学, 医学部, 教授 (20135700)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 虚血性表質損傷 / 視床変性 / FGF / FGF受容体 / in situ hubridization / ウエスタンブロット / mRNA発現 / FGF局新投与 |
Research Abstract |
虚血性皮質損傷後視床ニューロンに緩徐に起こる変性がFGFの髄腔内投与によって防止できることを、ラット中大脳動派閉塞モデルを用いて明かにした。そこで虚血性損傷後におけるFGF受容体mRNAの発現をin situhybridizationにより、またFGF受容体蛋白の発現をウエスタンブロットで分析し、外因性FGFの作用機構とその標的細胞を考察した。次いで内因性FGFの発現を同様の手法で解析し、変性防止のための外因性FGFの必要性を考察した。 その結果、FGF受容体遺伝子の発現は虚血損傷後1日目から虚血側の皮質と白質に広範にみられ、その後発現の範囲は梗塞周囲に限局される傾向はあるが、7-14日まで持続した。また発現はニューロン、グリアともに認められた。FGG受容体蛋白のウエスタンブロットでは60kD,110kD付近に2つのバンドを認め、高分子側のバンドは梗塞周囲皮質で増加した。内因性FGFのmRNAと蛋白の発現は虚血1日後にはみられず、3日後に認められるようになり、7日後にはグリアの一部を残して消失した。 これらの知見から、虚血性脳損傷後にはFGF受容体のup regulationがニューロン、グリアともに起こることが明らかになった。しかし損傷後変性に陥る視床ニューロンにはFGF受容体およびFGFとも遺伝子発現や蛋白増加はみられなかった。したがって外因性FGFの投与による視床ニューロンの変性防止メカニズムとしては、視床ニューロンに直接働くよりも、グリアを介した作用であることが示唆された。また内因性FGFの発現がFGF受容体の発現よりも遅れることが、虚血後の変性と関連することが示唆され、虚血後早期に投与した外因性FGFの効果を説明しうるものであった。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)