海馬神経細胞における転写因子と神経栄養因子の遺伝子発現のメカニズム
Project/Area Number |
04268215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
小幡 邦彦 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (60013976)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 海馬 / in situハイブリダイゼーション / カイニン酸 / c-fos / 神経栄養因子 / ソマトスタチン / スライス標本 / けいれん |
Research Abstract |
可塑性の高い脳部位である海馬について、神経活動にともなって誘発される遺伝子発現を明らかにすることを目的とし、薬物刺激および電気刺激による神経細胞内mRNAの変化をみるためinsituハイブリダイゼーションを行った。とくに、多くの機能性蛋白遺伝の発現を調節する転写因子をコードする最初期遺伝子のc-FosとZif268及び突起伸長等の栄養効果を持ち機能性蛋白(ペプチド)として重要と考えられるBDNF、NT3、ソマトスタチンについてしらべた。1。カイニン酸でけいれんよ誘発したラットについて。(1)c-fos,Zif268はすべての神経細胞に強く発現した。けいれんが短いとc-Fosの錘体細胞での発現は弱かった。(2)BDNFは一部の神経細胞で強く発現しているが、けいれんにより早期からすべてに強く発現した。NT3の発現は誘発されなかった。(3)ソマトスタチンは介在ニューロンの一部の発現しているが、けいれんにより新たに顆粒細胞と錘体細胞の15-60パーセントに発現した。けいれんの持続が短いと、錘体細胞のみに発現した。2。ラット海馬スライス標本について。電気活動とmRNA変化との対応をみるため、電気生理実験を行った。後にinsituハイブリダイゼーションを施行した。スライス作成操作自体による最初期遺伝子の発現と電気生理実験中でのmTNA減少がみられたので、これらを防止する条件を検討した。ついでカイニン酸の効果をしらべた。(1)過剰興奮後に抑制が続く場合、全細胞にc-Fosが発現した。(2)低濃度でCA3領域でてんかん様発作波が発生すると、CA3錘体細胞でのみc-Fosが発現した。今後、スライス実験を発展させ、RT-PCRなどによりmRNAを定量して、遺伝子発現のカスケード関係を明かにする、
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)