高齢サル脳における老年変化の超微形態的・免疫組織科学的研究
Project/Area Number |
04268217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
中野 今治 東京都神経科学総合研究所, 神経病理学研究部門, 副参事研究員 (40092423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 啓 東京都精神医学総合研究所, 分子生物, 副参事研究員 (10159189)
藤澤 浩四郎 東京都神経科学総合研究所, 神経病理学研究部門, 副所長 (90073064)
林 基治 京都大学, 霊長類研究所生理, 助教授 (10027500)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | β蛋白 / アミロイド / 老人斑 / 高齢サル脳 / 電子顕微鏡 / 免疫染色 |
Research Abstract |
本年度は、日本ザル(28歳,雌)とドグエラヒヒ(35歳,雌)の2匹の脳の老人斑を超微形態的に観察した。深麻酔後、4%paraformaldehyde+0.25%glutar aldehyde+0.2%picric acid in 0.1M phophate bufferにて潅流固定し、大脳皮質の超薄切片に連続して0.5μの準超薄切片を作成、後者には脱エポン後抗体β蛋白抗体で免疫染色を施し、前者は通常の電子染色をし、後者の免疫陽性部位と比較して電顕観察した。 脱エポン準超薄切片では、老人斑はいずれもβ陽性小顆粒の集簇部位として観察され、斑の内部には神経細胞や太い樹状突起が見られたが、芯と思われる構造は見られなかった。脱エポン切片で、diffuse plaque様見える老人斑でも、電顕的には腫大変性突起が恒常的に観察された。これらの突起は密な集簇は通常示さなかった。Preamyloidは細胞の突起間に少量散在性に認められたが、腫大変性突起間ではなく、内部構造に乏突起の間に沈着していた。その細胞膜は不規則な走行を示し、時には突起内部に大きく陥入していた。また、preamyloid沈着が小領域に集簇しているところでは、その部分の突起の細胞膜と突起内構造とが不明瞭になっていた。老人斑内部に神経細胞や太い樹状突起が時に観察されたが、これらには明らかな異常は見られず、その細胞膜に沿ってpreamyloid沈着が目立っているとの所見もなかった。 散在性少量のβ陽性構造のみの老人斑でも、腫大変性突起を有し、またpreamyloidは腫大変性突起間には見られないことから、その沈着が突起の腫大変性に先行するとは考え難かった。一方、preamyloidが沈着した部分では突起の細胞膜が不規則てなっていること、突起内の構造も不鮮明になっていることなどからこの部分の突起は変性に陥っている可能性が考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)