HIV-1nef可溶性蛋白質のHIV感染T細胞に対する作用の解析
Project/Area Number |
04269204
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤井 陽一 名古屋大学, 医学部, 助手 (50165346)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | HIV / nef / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
HIV-1調節遺伝子nefはウイルス遺伝子複製を抑制する遺伝子として報告されてきた。しかし、近年これら実験結果が否定される一方で、サル免疫不全ウイルス(SIV)による感染実験により、nef遺伝子がAIDS発症に必要不可欠であることが示された。 nef遺伝子産物、nef蛋白質は25,27kdの分子量を持ち、ミリスチン化により細胞膜に局在するものと、非ミリスチン化により細胞質に局在するものがある。このことは、HIV感染によりnef蛋白が感染宿主血中に遊離する可能性を示している。 筆者は、平成2,3年度本補助金により、nef遺伝子のクローニングとnef遺伝子産物の発現を大腸菌を用いて行い、精製蛋白を抗原として、抗nefウサギ抗体を作製し、HIV陽性者の疫学調査とともにnef陽性者の検出を上記抗血清を用い行った。更に、精製蛋白がヒト末梢リンパ球及び大腸リンパ球T細胞のCD4/CD8比を減少させること、また、これはnef蛋白がT細胞増殖を阻害することによることを証明してきた。このことは、可溶性nef蛋白が免疫異常を惹起する原因物質である可能性を示している。従って、可溶性という状態が実際に存在するかが焦点となった。 そこで、今年度は更にnef蛋白を昆虫細胞を用い、作製し、モノクローナル抗体を得た。この抗体を用いたところ急性及び持続性HIV感染細胞表面にnef抗原活性が検出された。また、感染患者血中より、加えて持続性HIV感染細胞培養上清よりnef抗原活性の検出に成功した。これらの実験事実は、AIDSの発症にnef蛋白が重要な役割を持つことを示している。加えて、nef蛋白がHIV産生を抑制することを基礎実験として示し、nef蛋白がLatency periodの形成に関与する可能性を追及している。 現在筆者は、HIV遅発病は可溶性nef抗原によるT細胞環境の遷移により、HIVトロピズムが変化することで成立する、という仮説を立て、研究をさらに進めている。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)