Project/Area Number |
04270208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 八郎 豊橋技術科学大学, 体育保健センター, 助手 (20200503)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | C.エレガンス / モデル実験動物 / 神経の発生 / 軸索輸送 / 細胞運動タンパク質 / キネシン / ゲノムプロジェクト / トランスジェニック動物 |
Research Abstract |
今年度我々は、C.エレガンスの感覚受容神経細胞の形態形成に影響を及ぼすosm-3遺伝子のクローニングおよび構造解析を行なった。 C.エレガンスにおいて高浸透圧回避不能変異として分離されたosm-3変異は、cAMP等に対する走化性やdauer形成に異常を生じ、形態学的には頭部のsensory ciliaが収縮して外界との接触が遮断されていることや、sheath cell内のある種のvesicleの輸送が行なわれないこと等が判っている。野生株ではFITCを含む培地で飼育することにより6対のamphid neuronが蛍光染色されるが、osm-3変異ではこのようなFITCの取込みが起こらなくなる。 まず、osm-3の遺伝マッピングを詳細に行ない、コスミッド整列ゲノムクローンによるC.エレガンス染色体フィジカルマップ(英国、MRC)との対応ずけを行なった。対応する領域のコスミッド約10クローンのDNAを調整し、それぞれをosm-3変異株の卵巣に微小注入して変異の回復を調べたところ、FITCによるamphid neuronの蛍光染色を野生株同様に回復させたコスミッドが一種類得られた。さらにこのコスミッドの制限断片による形質転換実験を同様に行ない、最終的に4.3kbのSacIフラグメントがosm-3の形質転換能を保持していることを明らかにした。このフラグメントをプローブにノザーンハイブリダイゼーションを行ない、2.2Kbの転写物を同定した。 4.3kb SacIフラグメントの塩基配列を一部決定し、そのオープンリーディングフレームの解析から、osm-3遺伝子産物は新規なタンパク質であり、kinesin重鎖と相同性を有することが明らかになった。両者の相同性がATPase部位や微小管結合ドメイン等機能的に重要と思われる部位において最も高いことから、osm-3がkinesinスーパーファミリーに属すると考えて間違いないと思われる。kinesinは微小管関連モータータンパク質として軸索輸送に関与していることが知られており、osm-3変異株で観察される軸索輸送の欠損は、osm-3産物がkinesin様タンパク質であると考えることでうまく説明できたと思う。本研究成果の発表は、塩基配列の決定が完了し次第、迅速に行なう予定である。
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