Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
ゼブラフィッシュの初期胚の脊髄では,各休節ごとに左右3対の1次運動神経細胞が存在し,それぞれに固有の定まった経路に軸索を伸展させる,我々は,LIM遺伝子の一つで,マウスやニワトリでは,一部の運動経細胞で発現していることが知られているIsl-1遺伝子が,1次運動神経細胞の運命決定に関与しているかもしれないと期待し,ゼブラフィッシュからのIsl-1cDNaのクローニングした。さらに,塩基配列の決定を終えて,whole mount in situ hybridizationにより発現様式の解析おこなった。脊髄では,Rohon Beard細胞と運動神経により発現が見られる。特に運動神経では殆どの場合,3種のうちの特定の1つだけの一次運動神経とその周辺の2次運動神経のみで発現することが分かった。 更に,Isl-1遺伝子の機能を明らかにする方法として,この遺伝子を本来なら発現しない神経細胞で,発現させて,神経細胞の個性獲得過程にどのような影響があるかを調ベるという実験が考えられた。そのために,酵母のFLP組換え酵素を使った新しい実験技術を開発した。 FLP組換え酵素は,標的であるFRT配列に作用して,2つのFRT配列間の相同組換えをおこし,TRT配列に挾まれた遺伝子領域を切り出す。我々は,このような遺伝子の切りだしが起こったときのみ,外来の遺伝子卵に注入した。Bガラクトシダーゼ遺伝子を用いたモデル実験では,我系の予想通りに、Bガラクトシダーゼ遺伝子の活性化が,胚の中枢神経系の細胞で離散的に起こった。現在我々は,同様の手法をIsl-1遺伝子に適用し,本来この遺伝子を発現していない神経細胞で,この遺伝子を発現させるべく実験を進めている。
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