• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to previous page

ショウジョウバエ中枢神経系の形成と機能の分子生物学的解析

Research Project

Project/Area Number 04270225
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas

Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionNational Center of Neurology and Psychiatry

Principal Investigator

鍋島 陽一  国立精神神経センター, 神経研究所・遺伝子工学研究部, 部長 (60108024)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 浜 千尋  国立精神神経センター, 神経研究所・遺伝子工学研究部, 室長 (50238052)
松崎 文雄  国立精神神経センター, 神経研究所・遺伝子工学研究部, 室長 (10173824)
Project Period (FY) 1992
Project Status Completed (Fiscal Year 1992)
Budget Amount *help
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
KeywordsP-エレメントエンハンサートラップ / 非協調運動 / 神経高次機能 / 行動突然変異 / Igドメイン / 補体結合ドメイン / 神経回路網の形成
Research Abstract

1.エレメントエンハンサートラップ法により確立した1100系統のショウジョウバエの行動観察により、成虫の運動機能が著しく低下している表現系を指標にしてhikaru genki(hig)遺伝子を同定した。この挿入変異株からinprecise excisionでnull変異を分離したところホモ接合体の70%が孵化し、10%が成虫まで発生した。第1齢幼虫では明確に非協調運動が観察され、直線的に前進することができない。また成虫の動きもぎこちなく、数日の寿命である。
2.クロモソームの45Cに挿入されたP因子近傍の遺伝子をクローンし、ついで成虫脳のcDNAライブラリーより25個のhig cDNAを得た。これらは4種の制限酵素地図を持つクローン群に分類された。構造遺伝子は約20kbで10個のエクソンよりなっており、altemative splicingの機構によって4種のmRNAが合成され、958から866のアミの酸残基からなる蛋白をコードしている。P因子の転写産物の43ベース上流に挿入されており、hig遺伝子の転写を抑制すると推定されたが、事実、変異株ではhig mRNAの発現量は野性株の約15%に現象していた。unll変異株ではエクソン1を含む約8kbの領域が欠失しており、hig mRNAの発現の検出できなかった。
3.hig遺伝子は産卵後16-24時間の胚及び蛹後期そして成虫の頭部で強く発現しており、主に神経発生時の後期以降に機能していることが示唆された。in situにより胚でのhig mRNAの分布を調べてみると脳を含めた中枢神経系の限られた数の神経細胞でのみ発現している。これらの結果はhig遺伝子は中枢神経系の特定の細胞で発現しており、運動に関与する神経回路の機能形成に必要であることを示している。
4.同定されたmRNAがhigの表現型に対応することを確認するためにhig cDNA(D12)をheat shockプロモーターにつないで導入し、発現を誘導とて、表現型の回復を検討した。毎日30分発現誘導することにより、成虫への発育率が上昇し、寿命が延長し、運動機能の改善が観察された。胚発生の8〜16あるいは16〜24時間の間に発現を誘導すると第1齢幼虫の非協調運動が回復したが第1齢幼虫になってから発現を誘導しても回復しない。この結果は幼虫の神経系形成の特に後期にhig産物が必要であることを示しており、実際、この時期にhig mRNAの高い発現が認められる。
5.hig蛋白は次に記載するような特徴を有する全く新しいタイプの分子である。そのN端にシグナル配列を持ち膜貫通ドメインを持たないことから細胞外に分泌されるか膜表面に結合して存在することが示唆された。N端の半分は電荷を持つアミノ酸残基に非常に富み、その中にインテグリンの認識部位となりうるRDG配列が存在する。C端の半分には多くの蛋白質で細胞認識に関与する免疫グロブリンドメインが一つ存在し、さらにセクレチンや補体関連蛋白質に見られる補体結合モチーフが3ないし4個連続して存在する。これらの構造からhig蛋白質は細胞外に存在し、細胞認識において機能することが示唆された。

Report

(1 results)
  • 1992 Annual Research Report
  • Research Products

    (4 results)

All Other

All Publications (4 results)

  • [Publications] Mikio Hoshino,Fumio Matsuzaki,Yo-ichi Nabeshima,Chihiro Hama: "hikaru gemki,a CNS-Specific Gene idmtified ry abnormal locomotion in Drosophilb,encudes a rovel Type of proteins." Neuron.

    • Related Report
      1992 Annual Research Report
  • [Publications] Fumio Matsuzaki,Keita Kaizumi,Chihiro Hama,Yo-ichi Nabesima: "Clonig of the Drosophila prospero gene and the expression in ganglion mother cells." Biocham.Biophys.Res.Cemm.182. 1326-1332 (1992)

    • Related Report
      1992 Annual Research Report
  • [Publications] 鍋島 陽一: "ショウジョウバエの神経発生制御遺伝子" Brain Medical. 3. 333-340 (1992)

    • Related Report
      1992 Annual Research Report
  • [Publications] 鍋島 陽一,富樫 伸: "生化学実験講座(第2巻核酵)" 東京化学同人,

    • Related Report
      1992 Annual Research Report

URL: 

Published: 1992-04-01   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi