HTLV-1 Taxによる細胞性初期遺伝子の発現誘導機講とウイルス複製への役割
Project/Area Number |
04271204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
清木 元治 金沢大学, がん研究所, 教授 (10154634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 雅寛 金沢大学, がん研究所, 助手 (30183099)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | HTLV-1 / Tax / 細胞性初期遺伝子 / c-fos / SRF / ATL |
Research Abstract |
ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)の転写制御因子Taxはウイルス遺伝子だけでなくさまざまな細胞性遺伝子を転写レベルで活性化することが知られており,このことによって感染細胞の異常増殖を誘発し白血病化に関与すると考えられている。我々はTaxによって誘導される核内原癌遺伝子群として(c-fos,egr-1,egr-2)を既に同定し,報告している。本研究ではこれらの遺伝子のTaxによる転写誘導機構を明かにすることを試みた。これらの遺伝子の転写制御領域で,Tax応答性に必要な領域を欠失変異を導入して調べたところCArG配列を同定することが出来た。そこに結合する転写因子としてSRF(serum responsive fator)が3つの遺伝子に共通な因子として同定できた。試験官内でTaxとSRFを作らせて両者の結合能を調べたところ特異的な結合が観察された。SRFと異種の転写因子に由来するDNA結合領域(GAL4)のキメラ蛋白質を細胞内に発現されるとTaxはGAL4結合配列を介した転写をも活性化することを示した。SRFはもともと細胞内に存在した増殖刺激が細胞に加わると核内でそのシグナルを受けとる最終標的と成る転写因子の一つであり,このことによって細胞を増殖相に向かわせるための最初の遺伝子発現が起こる。我々の実験結果から,TaxがHTLV-1感染細胞の中で発現したときには増殖刺激なしにTaxがSRFを介した核内原癌遺伝子の発現を誘導し,その結果細胞増殖機構の少なくとも一部が異常に働き始めると考えられる。以上の結果から,我々の今回の研究によってHTLV-1Taxが白血病発症を誘導するときの最初の出来事の分子機構を明かにすることが出来たと考える。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)