ネガティブ鎖RNAウイルスの遺伝子複製調節と粒子形成機序
Project/Area Number |
04271206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
田代 真人 自治医科大学, 医学部, 助教授 (90111343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田切 孝人 自治医科大学, 医学部, 講師 (80177237)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | インフルエンザウイルス / 非構成NS2蛋白 / RNA合成 / 干渉性欠損(DI)RNA / センダイウイルス(HVJ) / ウイルス出芽極性 / 細胞内蛋白輸送 |
Research Abstract |
A型インフルエンザウイルスのRNA複製過程におけるNS2蛋白の機能。 野生株または変異NS2をもつWa-182株をMDCK細胞に感染させ、合成されるPA遺伝子及びPA由来DI-RNAのcRNA,vRNA,mRNAをリボヌクレアーゼプロテクション法で経時的に定量したところ、変異株に於けるPAcRNAの合成は、感染初期には野生株よりも高かったが、DI-cRNAの合成が始まると完全に抑制された。これに対し、DI-cRNA合成は感染後期まで続き、最終合成量はPA-cRNAの2倍を越えた。一方、野生株でもPA由来のDI-cRNAが検出されたが、その合成量は極めて少なく、変異株における選択的合成促進は見られなかった。以上より、変異株におけるPA遺伝子の複製抑性は、DI-cRNAの増幅と逆相関して、cRNA合成過程で起こっていることが明らかにされた。 2.センダイウイルス糖蛋白輸送極性シグナルの解析。 (1)HVJ野生株とF1-R変異株(側基底領域からも出芽)の各F,HN,M遺伝子クローンを、ワクチニアベクターを用いて極性化MDCK細胞で発現させ、各蛋白の発現領域を膜蛍光抗体法と免疫電顕で調べたところ、単独で発現させた糖蛋白は何れも尖頂方向へ直接輸送された。変異M蛋白は野生株と同様に細胞質に広く分布していたが、会合傾向が見られた。更に、細胞質中のM蛋白は、transGolgiより上流に於て、既に糖蛋白の細胞質領域と結合しており、両者は一緒に細胞膜へと輸送されることが示唆された。 (2)colchicineやnocadazolでMDCK細胞の微小管を脱重合させると、野生株の出芽極性および膜蛋白の細胞内輸送極性がF1-R株と同様に両極性に変化した。また微小管構造を蛍光抗体法で観察すると、野生株感染細胞では変化がないが、F1-R感染細胞ではゴルジ装置周辺の微小管構造に乱れが認められた。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)