日本脳炎ウイルス増殖におけるプロセシングとウイルス粒子形成調節機構の解析
Project/Area Number |
04271211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
保井 孝太郎 (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物学, 副参事研究員 (90073080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅又 昌実 (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物学, 流動研究員
宮本 道子 (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物学, 主事研究員 (40190821)
木村 純子 (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物学, 主事研究員 (20142151)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 日本脳炎ウイルス / プロセシング機構 / エンブロープ粒子 / E蛋白 / C蛋白 / M蛋白 / NS3 |
Research Abstract |
日本脳炎ウイルス遺伝子のcDNAを用いて、構造蛋白を発現する組換えワクチニアウイルスおよびバキュロウイルスを作成した。また同じくSRaプロモーターを用いた構造蛋白発現体を構築した。これらの発現体を用いて日本脳炎ウイルス増殖の後期過程における、ウイルス粒子形成と構造蛋白のプロセシング機構との関連について解析した。構造蛋白C、M、Eのプロセシングは、細胞の酵素とウイルス由来の酵素が関与しており、C蛋白とpreM蛋白の間、M蛋白とE蛋白との間、E蛋白とNSI蛋白の間は、小胞体に存在するシグナラーゼが切断することが明らかになった。preM蛋白は、ゴルジ体に存在する酵素によってpreとMに切断され、M蛋白部分がエンベロープに残る。このような構造蛋白のプロセシングは、ウイルス感染において最も重要な役割をはたす蛋白であるEの構造構築に必須であることが明らかになった。一方preM-E遺伝子を持った発現体は、細胞外にM-Eエンベロープ粒子を発現放出するが、C-preM-E遺伝子を持った発現体は、M-Eエンベロープ粒子の形成が抑成された。C-preM-E発現体にns2b-NS3発現体を加えると、M-Eエンベロープ粒子が形成され細胞外に放出された。このNS3の効果を解析したところ、C蛋白がNS3とシグナラーゼによる2段階のプロセシングヲ受けることが明らかになった。C蛋白はC末端部位に存在するシグナルペプチドで小胞体膜に結合しているが、NS3によるプロセシングを受けることによりこのシグナルペプチドが除かれる。このNS3によるプロセシングを受けていないC蛋白は、エンペロープ粒子の形成を阻害することが分かった。またNS3はヘリカーゼ活性ドメインを持っており、replicative form RNAと結合する。この結果から、replication complex内においておこるウイルス粒子形成は、NS3蛋白によって調節されていることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)