数理物理学への応用を見込んだ代数幾何学の国際共同研究
Project/Area Number |
04352001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Co-operative Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
代数学・幾何学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上野 健爾 京都大学, 理学部, 教授 (40011655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浪川 幸彦 名古屋大, 教養部, 教授 (20022676)
丸山 正樹 京都大学, 理学部, 教授 (50025459)
神保 道夫 京都大学, 理学部, 教授 (80109082)
織田 孝幸 京都大学, 数理研, 助教授 (10109415)
桂 利行 東京大学, 数理, 教授 (40108444)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 数論的代数幾何学 / 共形場理論 / モジュライ空間 / タイヒミュラー群 / 可解格子模型 / 種数 / 量子群 |
Research Abstract |
数理物理学への応用の観点からは代数幾何学の分野でも特に数論的代数幾何学が重要である。代数幾何学で大切な役割を果すモジュライ空間は数論的代数多様体の構造を持ち、その性質の究明は数理物理学への直接的な応用を持つ。本研究では、こうした関点から数論的代数幾何学の観点を重視した。得られた成果の主要なものを記す。上野、浪川は、土屋昭博との共同研究によりアーベル的共形場理論の一般化に成功した。従来のアーベル的共形場理論は、レベル1のテータ函数と関係するが、1般化された理論はレベルが一般のテータ函数と関係し、しかもその関係を代数幾何学的観点から明かにした。桂は正標数の楕円曲面の礎造に関して、従来の研究で不安全であった標数2、3の場合に最終的な結果を得た。また種数の理論を、楕円種数や超楕円種数の理論を含む形に一般化した。織田はモジュライ空間の数論的構造の研究を行ない、代数曲線のモジュライ空間の基本群であるタイヒミュラー群の構造に関して新しい知見を加えた。また共形場理論が得られるアルティンの組紐群の表現を数論的観点から研究した。丸山は代数曲面上のベクトル束のモジュライ空間について、インスタントンとの関連から研究を行ない、微分幾何学的に構成されたモジュライ空間に代数多様体の構造を入れることに成功し、モジュライ空間の連絡性を証明した。神保は可解格子模型の研究を行ない、ある種の格子模型と量子群の表現との関係を明かにし、それに基づいて、相関函数の研究を行なった。以上の成果は一見何の関係もないようであるが、実は共形場理論、弦理論の観点からは密接に関連した結果であることが分かる。なお11月に賢島で2月に宇佐美でワークショップを行ない、京大、名大、東大を中心として行なったセミナーのまとめをし、英国の数学者を中心として国際共同研究を行う体制を確立した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)