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¥5,500,000 (Direct Cost: ¥5,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥5,500,000 (Direct Cost: ¥5,500,000)
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Research Abstract |
1.試料作製技術の改善 多孔質シリコンは単結晶シリコンウエハをフッ化水素酸溶中にて陽極電流を流して作製するが(陽極化成),その際にランプの光を照射することにより大幅な発光効率の向上と発光波長の短波長化を実現できることを見いだした。この光照射は陽極化成中に行っても,また陽極化成終了直後に行っても同様な効果をもたらす。さらにその光をガラスフィルターを通して試料に照射し,発光波長を制御する技術を開発した。 2.フォトルミネッセンス(PL)特性の測定と解析 特に陽極化成直後に光照射を行って作製した試料ついて,発光特性を詳細に調べた。発光スペクトルは光子エネルギーに対してガウス型の曲線を描くこと,励起用の紫外線照射により発光効率が時間とともに減少することなどを明らかにした。作製条件依存性についても綿密な測定を行い,特に光照射が発光特性に大きく影響を及ぼすことを明らかにした。 3.エレクトロルミネッセンス(EL)特性の測定と解析 昨年度までの研究ではp型基板上に作製した多孔質シリコンを用いていたが,今年度は基板をn型に変えて実験を行った。その結果,p型基板のものより高効率のELを実現することができた。発光特性の作製条件依存性等の測定を詳細に行った。 4.発光機構の検討 上記の実験結果以外にPLおよび電気抵抗の温度依存性や組成分析・電子構造解析等を行い,総合的に発光機構の検討を行った。多孔質シリコンの発光にはシリコン微粒子の表面酸化が密接に関係しており,これは表面の不活性化とキャリアの効果的な閉じこめの両方に関係していると考えられる。表面化合物による発光というモデルではこれらの実験データのすべてを説明することはできない。
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