Project/Area Number |
04453006
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理化学一般
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
近藤 保 東京大学, 理学部, 教授 (10011610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野々瀬 真司 東京大学, 理学部, 助手 (70212131)
永田 敬 東京大学, 理学部, 助教授 (10164211)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥7,300,000 (Direct Cost: ¥7,300,000)
Fiscal Year 1992: ¥7,300,000 (Direct Cost: ¥7,300,000)
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Keywords | クラスターイオン / クラスター内重合 / 光電子分光 / 衝突誘起解離 / 絶対反応断面積 |
Research Abstract |
クラスターの関与する反応過程を研究し、以下に示す成果を得た。 1.アクリロニトリルおよびその誘導体(クロロアクリロニトリル等)に低速電子を付着し、クラスター内重合反応、特に環化反応が起こっていることを示唆する結果を得た。また、このクラスター負イオンをレーザー解離してその生成物を調べることにより、上記の結果を確認した。 2.二酸化炭素と水の混合クラスター負イオンを作り、その光脱離電子スペクトルを測定した。その結果、クラスター負イオン中の二酸化炭素分子が3個以下では、C_2O_4^-が、4個以上ではCO_2^-が、それぞれイオンコアとなっていることが明らかになった。水分子を導入することにより、このような異性化反応に大きな変化が現われることが示された。光による電子脱離と競争して進行する光解離についても調べた。 3.ニオブ、バナジウム、などの金属イオンをイソプレンと希ガス混合気体の自由噴流中に導入し、これらイオンのまわりで起こる反応過程を調べた。イソプレンの環化によるベンゼン生成を推定させる結果を得た。 4.希ガス原子、一酸化二窒素、メタノールなどのクラスターイオンと希ガス原子を衝突させ、衝突誘起解離反応を調べた。たとえば、アルゴンクラスターイオンとクリプトン原子との衝突では、蒸発反応、融合反応、および電荷移動反応が起こっていることがわかった。これら反応の絶対断面積を測定し、そのクラスターサイズ依存性および衝突エネルギー依存性を決定した。衝突エネルギーがクラスターイオンの内部状態に移動してクラスターが振動励起し、その後蒸発が徐々に進行するとしてこれら結果を説明した。メタノールクラスターイオンの実験では、衝突エネルギーの分解能を0.5ev以下にして断面積の衝突エネルギー依存性を測定した。この結果から得られた解離エネルギーは、熱化学的測定結果と一致した。
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