Research Abstract |
1.パルスNd:YAGレーザー(Spectron SL803、現有設備)の3倍波(355nm)励起色素レーザー(Spectron SL4000B)を購入設置した。基本性能として、色素にstilbene420を用いた場合、425nmにおける変換効率が約10%(355nmで150mJのエネルギーを入力したとき約15mJの出力を得た)であることを確かめた。 2.(1)真空反応容器(直径31cm,高さ30cm,容積約23L,ステンレス製)に、パルス分子線バルブ(Lasertechnics Model LPV)および遷移金属箔加熱装置を組み込めるように設計製作を行った。遷移金属としては、多結晶の白金パラジウム箔(厚さ0.05mm)を用いた場合に、通電加熱により表面温度が約1000℃まで上昇できることを確かめた。また、設計においては高温金属表面近傍(約3cm)に分子線バルブの出射ノズルがでくるので、金属箔加熱部とバルブの冷却が十分であるように考慮した。(2)色素レーザー光(410-450nm)の第3高調波を発生させるための希ガスセルを製作した。入射側は溶融コルツ(30phi-2^t)を、出射側はLiF(20φ-1^t)を光学窓材として用い、実効長20cm、内径19mmのステンレス製である。(3)真空反応容器に、真空紫外領域のレーザー誘起蛍光を検出するためのソーラブラインド型光電子増倍管(Hamamastu R1081)を組み込んだ。 3.VUVレーザーの発振を確認するために、COジェット分子線の真空紫外分光を行った。設備備品として購入したデジタル遅延パルス発生器(SRS DG-535)マスターとして、照射レーザー、パルス分子線バルブ、および検出系(ボックスカー積算器)のタイミングを取った。現在のところ確認されたCOの吸収線は6本であり、A^12←X^1Σ^+の遷移であると同定した。線巾は約0.1cm^<-1>でありレーザーのそれを反映しているものと考えられる。現在は、高温金属表面の単発反応(散乱CO、生成CO_2)の検出を試みている。
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