光親和性プロスタサイクリン受容体探索子の設計および活用に基づく受容体の同定
Project/Area Number |
04453032
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
天然物有機化学
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 正昭 名古屋大学, 化学測定機器センター, 助教授 (90093046)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 誠二 大阪バイオサイエンス研究所, 第4研究部門, 副部長 (80201325)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥7,200,000 (Direct Cost: ¥7,200,000)
Fiscal Year 1992: ¥7,200,000 (Direct Cost: ¥7,200,000)
|
Keywords | プロスタサイクリン / プロスタサイクリン受容体 / 光親和性標識法 / APNIC / がん化肥満細胞 / イソカルバサイクリン / 受容体探索子 / ぶた血小板 |
Research Abstract |
プロスタサイクリン(PGI_2)は、強力な血小板凝集阻害作用をもつ。この活性発現にかかわる情報伝達プロセスの解明には、PGI_2が最初に作用すると考えられる受容体の分子レベルの研究が重要である。本研究者らは、独自に開発した「3成分PG合成プロセス」を適用して化学的に安定なPGI_2炭素類緑体であるイソカルバサイクリンを合成したのち、ひきつづきその構造修飾によりPGI_2受容体探索子の合成を行なった。標的化合物の設計にあたっては、PGI_2作用の構造活性相関に関する知見を十分に考慮して、受容体探索子に必要な光親和性官能基をイソカルバサイクリンのw鎖の末端に導入することを基本とした。この方針に従い、イソカルバサイクリンのw鎖中の炭素-炭素二重結合の酸化的切断、ホーナーエモンズ法による新たなw鎖の再構築、さらには、カルボニル基の立体選択的還元などを経て、w鎖の末端にアジドフェニル基をもつ19-(3-アジドフェニル)-20-ノルイソカルバサイクリン(APNICと略称)を合成した。得られたAPNICは、がん化肥満細胞中のPGI_2受容体に対して特異的かつ高い結合親和性(IC_<50>=3nM)を示すと同時に、PGI_2受容体に対するアゴニストであることがわかった。上記合成法に、カルボニル基還元剤としてトリチウム化ホウ素ナトリウム/塩化セリウム混合還元剤を選び、光親和性標識法に供する放射性標識化合物である15位トリチウム化体〔^3H〕APNICを合成した。この人工探索子を活用して、共同研究者(伊藤)と共同研究を行ない分子量43k(がん化肥満細胞)および45k(ブタ血小板)のPGI_2受容体タンパク質をはじめて同定した。本研究成果は、未だ解明されていない第一次PG類の受容体の同定に関しても有益な知見を提供することになるだろう。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)