遷移金属錯体によるC-H結合活性化を経る新規合成反応
Project/Area Number |
04453088
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
有機工業化学
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤原 祐三 広島大学, 工学部, 教授 (10029481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 謙 広島大学, 工学部, 助教授 (80116615)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥5,900,000 (Direct Cost: ¥5,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥5,900,000 (Direct Cost: ¥5,900,000)
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Keywords | アルカンC-H結合活性化 / パラジウム触媒 / 銅触媒 / シクロヘキサンのカルボキシル化 / メタンより酢酸合成 / エタンよりプロピオン酸合成 / プロパンより酪酸合成 / 均一系有機金属触媒反応 |
Research Abstract |
本研究ではパラジウム等の遷移金属触媒を用いてメタン、シクロヘキサン等のアルカンC-H結合を直接熱的に活性化し、これに一酸化炭素(CO)を導入して機能性化合物に変換する新反応の開発を行った。 1.メチル置換シクロヘキサンとCOの反応 シクロヘキサンをPd(OAc)_2/K_2S_2O_8系触媒を用いてCOと反応させるとシクロヘキサンカルボン酸が約1万%収率(Pd基準)で得られることを既に見い出していたので、さらにメチルシクロヘキサン、cis-1,3-ジメチルシクロヘキサン、frans-1,4-ジメチルシクロヘキサン、t-ブチルシクロヘキサン、アダマンタン等を用いてCOと反応させた結果、それぞれ相当するカルボン酸を高収率で得ることができた。生成物の構造解析より高い位置および立体選択性が認められ、カルボニル化は、2級炭素〉1級炭素〉3級炭素の順で反応性が低下し、また生成物は熱力学的に安定なtrans体が優先して生成することが明らかになった。 2.触媒系の改良 次に収率の向上を目指して、金属塩の添加効果を検討した結果、銅塩をPd(OAc)_2/K_2S_2O_8系に添加すると、収率が著しく向上し、シクロヘキサンとCOの反応ではPd基準で2〜3万%の収率が得られた。興味深いことにCu(II)/Pd(II)≧1のときに高い収率が得られることから反応の活性種にPdとCuの1:1錯体が関与していると考えられる。また、K_2S_2O_8の役割は、Pd(O)を再酸化してPd(II)にもどす酸化剤として働いていることが分った。 3.メタン、エタン、プロパンとCOの反応 以上の知見を不活性小分子であるメタン、エタン、プロパンに拡張して検討した結果、それぞれ酢酸、プロピオン酸、酪酸が得られることが分った。エタン、プロパンの反応ではPd(II)/Cu(II)/K_2S_2O_8系がよいが、メタンの反応はCu(II)/K_2S_2O_8系が特によく反応はラジカル的に進行している。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)