Project/Area Number |
04453092
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮野 壮太郎 東北大学, 工学部, 教授 (60005501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 徹太郎 東北大学, 工学部, 助手 (70241536)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥6,600,000 (Direct Cost: ¥6,600,000)
Fiscal Year 1992: ¥6,600,000 (Direct Cost: ¥6,600,000)
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Keywords | 芳香族求核置換反応 / o-置換安息香酸エステル / ビフェニル誘導体 / 軸不斉ビフェニル誘導体 / 分子内不斉Ullmann反応 / 不斉合成 |
Research Abstract |
芳香族求核置換反応は重要な反応であるが一般には厳しい反応条件、あるいは基質に制約があるなどの問題点がある。さきに我々は、o-位のエステル基がアルコキシル基を芳香族求核置換反応に対して著しく活性化するという化学反応論的にも合成化学的にも重要な新事実を見出し、o-アニス酸エステルとフェニルGrignard試薬との反応によるビフェニル誘導体の簡便な合成法を確立した。本研究では、本芳香族求核置換反応の適用と限界を明かにすることを目的とし、研究計画に従ってフェニルカルバニオンばかりでなく、炭素、酸素、および窒素求核試薬によるアルコキシ安息香酸エステル類の反応を詳細に検討し、以下の成果を得た。 1.炭素中心求核試薬として、アルキルGrignard試薬やリチウム試薬も有効であり、o-アルキル、またはアリール置換安息香酸を簡便に調製することが出来る。特に、有機リチウム試薬は-78℃の低温でも短時間に高収率で置換生成物を与えた。 2.上記置換反応を軸不斉ビフェニル誘導体の不斉合成に応用することを検討した。その結果、o-(-)-メントキシ安息香酸エステルとo-置換フェニルGrignard試薬との反応で、最高80%に達する光学収率で軸不斉ビフェニルが不斉合成出来た。得られた数種の新規な光学活性ビフェニル誘導体の絶対配置は、さきに我々の開拓した分子内不斉Ullmannカップリング反応により決定することが出来た。 3.酸素中心求核試薬としては1級、または2級アルコールから得られるアルカリ金属アルコキシドを、窒素中心求核試薬としては1級、または2級アミンのアルカリ金属アミドを用いて、効率よく上記芳香族求核置換反応を行うことが出来た。 以上、エステル基を活性化基とする芳香規求核置換反応は合成化学的にもきわめて有用であり、今後の発展が一層期待される。
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