固体高分解能NMRによる原子間距離の精密測定と膜蛋白質の三次元構造の構築
Project/Area Number |
04453168
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
斉藤 肇 姫路工業大学, 理学部, 教授 (30100150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 暁 姫路工業大学, 理学部, 助手 (60227387)
内藤 晶 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (80172245)
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Project Period (FY) |
1992 – 1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Keywords | 固体高分解能NMR / 膜蛋白質 / 原子間距離測定 / 三次元構造 / チトクロム酸化酵素 / バクテリオロドプシン |
Research Abstract |
膜蛋白質の固体高分解能NMRによる原子間距離の精密測定に基づく三次元構造の構築を目指して、代表例としてチトクロム酸化酵素、バクテリオロドプシンをとりあげた。前者については膜蛋白結晶における界面活性剤と蛋白質の相互作用および結晶化にともなうスペクトル変化がどの程度見られるかを中心に検討した。興味あることに、結晶試料といえども界面活性剤とくにその親水性部位は液体同様の運動の自由度を持つのに対し、疎水性部位における運動は不均一で、蛋白質の疎水性表面との相互作用はその時間尺度からは極めてゆっくりしたものになっていることがわかった。また、結晶と凍結乾燥試料における構造変化に関する知見を得た。一方、バクテリオロドプシンは三次元結晶のデータは得られていない。われわれはアラニン、バリン、ロイシンなどの^<13>C標識アミノ酸を人工培地に置換し標識体を得ることに成功した。とくに、得られた^<13>C化学シフトの値から、それぞれのアミノ残基が位置する局部的な高次構造、すなわちヘリックス、ループ、ランダムコイル構造の差異が容易に識別されること、それを利用して凍結乾燥紫膜が完全乾燥状態と水和状態でクロモフアーの構造変化、ひいては蛋白構造の変化に導く過程を詳細に解析することに成功した。このように、培養による生合成過程からの同位体標識が本研究では重要なステップであり、今後は^<19>Fなどによって標識したクロモフアーとの距離の精密測定から三次元構造の構築をはかる予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)