急速眼球運動発現における橋縫線核ニューロン脱抑制の役割とその機序の解明
Project/Area Number |
04454444
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
白石 義光 鳥取大学, 医学部, 助手 (80108810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 真澄 鳥取大学, 医学部, 助手 (70203198)
佐々木 勇二 鳥取大学, 医学部, 助手 (20196182)
細貝 正江 鳥取大学, 医学部, 助手 (50032206)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Keywords | 垂直性急速眼球運動 / Forel H 野 / 縫線核 / オムニポーズニューロン / バーストニューロン / 覚醒ネコ |
Research Abstract |
随意性および反射性に誘起される急速眼球運動(saccadeと眼振急速相)は視機能に重要な役割を果す。我々は、中脳・間脳境界のForel H野には垂直性急速眼球運動時に急激な発射活動を示すバーストニューロンが存在すること、橋縫線核には垂直および水平性急速眼球運動に先行してしかもその期間中逆に活動を休止する抑制性オムニポーズニューロンが存在することを報告した。また上丘がsaccade発現に重要であることが知られており、我々は上丘とForel H野ニューロンとのシナプス結合様式についての報告もした。 今回、細胞内電位記録法を用いた実験で、上丘から垂直性外眼筋運動ニューロンへは2または3シナプスおよび多シナプス性経路が、眼球運動制御に関与していることがわかった。Forel H野の系統的microstimulation法を用いた実験により、興奮性入力領域の局在構成を解明し、この領域の内側部から垂直性外眼筋運動ニューロンへ同側優位の両側性入力様式の存在が明かになった。また、中枢無傷・無麻酔覚醒の慢性ネコを用い、垂直性急速眼球運動に関係したForel H野ニューロンへの橋縫線核と上丘からの入力様式をspkike-triggered averaging法などを用いて検討した。これらの結果から、まず上丘からの興奮性入力が、Forel H野のAugmentingニューロンかまたはLong-lead バーストニューロンへ、その後動眼神経核の運動ニューロンと直接シナプス結合しているMedium-leadバーストニューロンに行き、急速眼球運動を生ずる。またMedium-leadバーストニューロンの高頻度スパイク発射の成因は、上丘の興奮性入力だけでなく、橋縫線核のオムニポーズニューロンの活動休止による脱抑制が主に関与していることがわかった。今後、オムニポーズニューロンの脱抑制のトリガ一役のニューロンの検索や同定する研究を継続する必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)