逆行遺伝学的手法によるWaardenburg症候群原因遺伝子の単離
Project/Area Number |
04454540
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
新川 詔夫 長崎大学, 医学部, 教授 (00111170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 祐輔 癌研究会癌研究所, 生化学部, 部長 (70217909)
陣野 吉廣 長崎大学, 医学部, 助手 (20179097)
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Project Period (FY) |
1992 – 1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Keywords | ワールデンブルク症候群 / 原因遺伝子単離 / 遺伝子マッピング / isoform / alternative splicing / 組織特異的発現 / マウスPax3 / ヒトHuP2 |
Research Abstract |
1)研究当初までに単離されたDNAはHuP2遺伝子の1部分なので、その配列からprimerを作成し、ヒトcosmid libraryのscreeningにより8個の陽性clonesを得た。 2)このcosmidをprobeとしたPFGEーサザン解析で、2個のclones(WSIー15a、WSIー22)が2q35と2q37.3に逆位をもつWaardenburg症候群I型患者DNAに異常断片を検出したので、これらは患者の逆位切断点を認識し切断点を含むことが判明した。 3)患者染色体上でのFISH解析の結果、WSIー15aは切断点両方にsignalsを検出し丁度切断点を中央部にもつcloneであった。一方、WSIー22は2q35のみにsignalを検出した。 4)両clonesの制限酵素地図を作成したところ、WSIー15aはHuP2遺伝子のexon2より約10kb下流の切断点から異なる配列になっていた。この結果はHuP2がWSIの原因遺伝子と確定でき、またその座は2q35であることを示す。 5)次に、HuP2の全構造を明らかにするために、HuP2ーcDNAを取得した。ヒト成人小脳の5'と3'RACE librariesを構築し、総計24個の陽性clonesを得た。このうち3'RACE由来cloneはマウスPax3遺伝子と相同であり、985bpと578bpの2種に分かれた。前者をHuP2A、後者をHuP2Bと命名した。 6)HuP2AとHuP2Bの配列を決定し、exonーintron構造を明らかにした。HuP2Aは全長1248bpで4個のexons、215個のアミノ酸からから、HuP2Bは全長840bpで5個のexons、206個のアミノ酸から成っていた。両者は717bpを共有しこの領域のアミノ酸はPax3と100%の相同性を示したが、HuP2Aの197-215、HuP2Bの197-206のアミノ酸はPax3とは異なっていた。この結果は両cDNAは同一の遺伝子から異なったsplicingにより生じたisoformsであることを示す。 7)Pax3のexon5に相当する54bpのRT-PCR産物はヒト組織では発現していないので、それに相当するヒト領域がないことを示す。 8)HuP2の組織特異的発現をRTーPCRで調べた。HuP2Aはほとんどの組織で発現していたが、HuP2Bは小脳・食道・骨格筋でのみ発現していた
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)